5月に刊行された、阿川佐和子さんの新著のタイトルはズバリ『年とる力』(文春新書)。現在72歳の阿川さんが、「70過ぎても楽しく元気に過ごす秘訣」を明かし、すでに5万部に達している。
なってみてわかった、70代の幸せとは。そしてどんな80代、90代になりたい?
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70にして始めたこと
〈阿川さんの趣味といえば51歳のときに始めたゴルフ。多忙を極めた50代の時期、唯一のリフレッシュになっていたという。しかしいまはピアノ、俳句など、70代にして阿川さんの趣味の領域は広がっている〉
もともと私、趣味らしい趣味がなかったんです。たとえば習い事を始めて、毎週水曜がお稽古日です、となっても、仕事が入ればそっちを優先せざるを得ませんしね。
そんななかでゴルフは老若男女、ハンデをつければ誰とでもできるし、4人揃わなくても2人だって回れるし、運動にもなるし、こりゃいいやと思って続けてきました。
最近になって、周りの女友だちの何人かが麻雀を始めたんです。聞けば脳の活性化によろしいのは麻雀とピアノである、ともに指を動かし、頭を使うのでボケの防止になると。なるほど麻雀ねえ……。
ピアノなら小学生から中学生にかけて習ったことはあります。それきりになっていましたが、4年前にテレビ番組でピアニストの石井琢磨さんと連弾させていただく機会があって、それがとっても楽しかった。で、私は麻雀よりピアノかなあと。
それで旧知の調律師の方に中古のピアノを見立ててもらい、戸棚にしまっていた古い楽譜をいくつか取り出し、弾き始めたんです。
一小節ずつコツコツ練習するんですが、最初はただ音が鳴っているだけだったのが、だんだんとなめらかに弾けるようになり、旋律になってくる。これが楽しくてしょうがない。まさに70の手習い。
