2022年、元舞妓の桐貴清羽さん(27)がSNS上で「16歳で浴びるほどのお酒を飲まされた」などと告発し、大きな衝撃を与えた「#元舞妓の告発」。その告発を元に、知られざる花街のリアルを描いたコミックが『京都花街はこの世の地獄~元舞妓が語る古都の闇~』(竹書房)である。原案を桐貴清羽さん、作画を宮本ぐみさんが務め、1巻刊行時から大きな話題を呼んだ。

 1巻では未成年への飲酒強要や性接待の実態が描かれたが、2巻ではさらに踏み込み、花街と「あの業界」との関係や、舞妓の生活の場である置屋の中で起こった性被害など、これまで決して表に出ることのなかった問題が赤裸々に綴られている。

『京都花街はこの世の地獄~元舞妓が語る古都の闇~』(竹書房)

 なぜこの作品は生まれたのか。そして、制作の裏側では何があったのか。担当編集・Mさんに話を聞いた。

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「嘘をつくな」心ない声がきっかけに

 本作の企画は、桐貴さんの告発と、それに対する「嘘をつくな」「花街なのだからそれくらい当たり前」といった心ない声がきっかけだったとMさんは語る。

 少女に対し「自業自得」という言葉が投げられるさまに心を痛め、「花街の実態やそこで起きていることの真実を、より多くの方に知ってもらいたい」という思いから、漫画という形で届けることを決意したという。

※写真はイメージ ©AFLO

 制作は、Mさんと作画の宮本ぐみさん、そして原案の桐貴清羽さんの三者で取材と打ち合わせを重ねる形で進められた。毎回、想像を絶する衝撃的なエピソードが飛び出し、1話にまとめるのに苦労することもあったという。特に印象的だったのは、2巻の1話と2話で描かれた「お座敷に来る客」に関する取材での出来事だ。