同様に、世彰氏、絢氏はじめ村上ファミリーがシンガポールに居住していることも税金面を考慮してのことだ。シンガポールは、法人税率は一律17%、個人所得税も最高税率が24%と低く、日本の住民税、相続・贈与税、キャピタルゲイン課税に該当するものがない。
運用の受け皿である「南青山不動産」と「エスグラントコーポレーション」の親会社は「ATRA」である。この「ATRA」の名称は、絢氏ら世彰氏の4人の子供たちの頭文字からとられている。
「世彰さんが凄みを利かせて、絢さんはなだめ役に回る」
「ATRA」は、村上氏のファミリービジネスの本尊なのだ。「投資先との交渉や対外的な顔は、娘に譲った格好にしているが、奥の院はいまだ父親であることに変わりはない。交渉の過程で相手に凄みを利かせるのは世彰さんで、絢さんはなだめ役に回るケースが多い」(前出・市場関係者)という。さらに、「4人の子供の中で、長女の絢さんは一番、父親に似て、投資センスが良い」(同前)とされる。
絢氏の夫は、直近では養命酒製造のM&Aでキーパーソンとなった投資家の野村幸弘氏だ。絢氏は2児の母でもあり、村上財団の前代表理事(現在の代表は妹の村上フレンツェル玲氏)としては、「働く女性と子ども達を支援したい」と明言している。
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そんな絢氏と世彰氏が、満を持して大勝負を仕掛けた相手がいる。それは、かつて父が表舞台から姿を消す発端となった因縁の相手――フジ・メディア・ホールディングスだった。およそ20年の時を経て、娘が仕掛けた壮絶な「仇討ち」の全貌、そして彼女の真の狙いとは……。(次の記事へ続く)
