ヤマダHDとエディオンの巨大経営統合など、日本企業に次々と変革を迫る「モノ言う株主」野村絢氏(38)。著名投資家・村上世彰氏の長女であり、総額1兆円に迫る一族の自己資金を操る人物だ。そんな彼女に一際注目が集まった、かつて父が表舞台から姿を消す発端となった因縁の相手――フジ・メディア・ホールディングスとの“大勝負”とは。(全2回の2回目)

野村絢氏 ©getty/Bloomberg

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 著名投資家の村上世彰氏と、その事実上の後継者・野村絢氏。この親子が大勝負を仕掛けたのが、ほかでもないフジ・メディア・ホールディングス(清水賢治社長。以下、フジHD)である。世彰氏とフジHDには過去の深い因縁があっただけに、一際注目が集まった。

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 2025年4月初め、世彰氏は親しい企業経営者に「近々、人生を賭けた大きな事業に打って出ることを公表する」と伝えていた。これに呼応するように浮上したのが、4月3日に表面化した、絢氏と関連投資会社「レノ」および「エスグラントコーポレーション」などによるフジHD株の買い増しだった。

村上世彰氏 ©文藝春秋

 4月10日に財務局に提出された変更報告書(5%ルール報告書)によれば、3者のフジHD株式保有比率は11.8%まで上昇し、筆頭株主に躍り出たのだ。

ライブドア事件と父の逮捕

 世彰氏とフジHDの因縁は約20年前、ライブドアによるニッポン放送買収劇まで遡る。当時、フジサンケイグループは、東証に上場するニッポン放送の傘下にフジテレビや産経新聞社などがぶらさがる企業グループを形成していた。「ニッポン放送の時価総額は千数百億円しかなく、その株の過半数を取られれば、フジが奪われてしまう、危うい構造だった」(前出・関係者)とされる。