テレ朝の大株主に、鉄道再編も視野に?

 絢氏のマスメディアへ攻勢は今も続いている。6月4日には、テレビ朝日ホールディングス(HD)株を1.86%取得し、大株主となっていることが明らかになったばかりだ。テレビ朝日HDのPBRは解散価値とされる1倍を下回る。政策保有株の売却などで資本効率の向上を求められると見られている。

 また、5月には絢氏が近鉄グループホールディングス株を約3%保有していることが明らかになっている。鉄道会社は優良不動産を抱えるものの株価が割安なケースが多く、てこ入れの余地が大きいとみている。

 絢氏はほかに名古屋鉄道を約2%、京阪ホールディングスを約1%保有している。「村上ファンドの投資が阪急阪神誕生のきっかけになったように、野村氏の複数の鉄道株の大量保有は、鉄道再編を視野に入れた動きではないだろうか」(市場関係者)との見方も浮上している。

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「会社を良くしていくことが楽しい」

 絢氏は「株主に向き合わない会社に投資する」と明言している。また、儲けではなく、「大株主になり会社を変えて良くしていくことが楽しいから投資している」とも語る。かつて父、村上世彰氏がオリックスなどの協力を得て村上ファンドを立ち上げた頃は、投資の原資は、外部の投資家から委託された資金だった。このため「なによりリターンが最優先された」という。

 しかし、現在の投資資金はすべて村上家の自己資金であり、その額は1兆円に近い。「ファミリーオフィス」として、村上家の意向で自由自在に資金を動かせる。かつ、投資期間にしばりもない。

村上財団のFacebookより

「彼女は父親よりもソフトな虎だが…」

 フジHDとの攻防で、絢氏と共闘したダルトン・インベストメンツの共同創業者のジェームズ・ローゼンワルド氏は、絢氏についてこう表現した。

「彼女は父親よりもソフトな虎だが、虎であることに変わりはない。その牙はとても長い」

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