夫婦の飾らない日常を配信し、若者を中心に人気を集める動画クリエイター「たくはらけ」。

 いつも笑顔を見せる夫・かいとさん(24)だが、その裏には想像を絶する過去があった。「ケチャップを吐きながら飲み干した」「粉砕骨折しても隠蔽された」……。今回、彼が明かしたのは実母から受けた常軌を逸した虐待の実態と、小学6年生の夜、命がけで自ら警察へSOSを出すまでの全貌。絶望の淵から抜け出し、彼が今の幸せを掴むまでの軌跡に迫る。

「たくはらけ」のお二人。左に写るのがかいとさん

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「ケチャップは結構なご馳走だった」

 母親は機嫌が悪くなると、かいとさんの食事だけを一切作らなかった。弟と妹の分は用意されるのに、自分だけが数日にわたって食事を与えられない。

「砂糖や塩を舐めて飢えをしのいでいました」

 そんな日々の中で冷蔵庫に見つけたケチャップは「結構なご馳走だった」という。しかしある日、勝手にケチャップを食べていることに気づいた母は激怒し、「飲み干すまで、絶対に許さない」と命じた。通常サイズよりひと回り大きなボトルを、吐きながらも飲み干し、許しを乞うた。それ以来、ケチャップ料理は食べられないと。かいとさんは語る。

幼少期に凄惨な虐待を受けてきたことを明かしたかいとさん 写真はインスタグラムより

 暴力も日常だった。小1のある日、母に階段から引きずりおろされ、粉砕骨折。「自分で勝手に落ちたことにしなさい」と口止めされたうえで、診察時間ギリギリにようやく病院へ連れて行かれた。学校に行こうとすれば「お前の給食費が無駄なんだ」と、唯一の食事である給食すら断たれることがあった……。

 転機は小6の夏祭りの夜だった。家族だけで祭りに出かけ、自分は連れて行ってもらえなかった。友人と祭りに出かけたかいとさんが帰ると、自宅の鍵はかけられていた。コンビニと深夜営業の書店を行き来するうち、店員が通報し、警察が駆けつける。

 そのとき「もういいや」という気持ちになり、「家に帰りたくない」と告げたのだとか。照会の結果、児童福祉施設への入所履歴が判明し、その日のうちに保護された。

「それから、母が面会にきても面会拒否を貫きました」

 高3の夏には、母の離婚に反対したことをきっかけに私立高校の授業料を止められ、退学を余儀なくされた。都内難関大学安全圏の学力を持ちながら大学進学の道を絶たれた絶望は深く、「死んでしまってもいいかな」と本気で考えたという。

 それでも18歳で家を出て自立し、2025年5月には、末期がんで死の淵にあった母を妻・みうさんとともに見舞った。長年会っていなかった母に対し、かいとさんは「今もぜんぜん子どもを虐待する人の気持ちがわからない」と伝えた。母の反応は「そっかぁ」。面会中、謝罪の言葉は一度もなかったという。

結婚後に初めて会った義母の姿を振り返ったみうさん 写真はインスタグラムより

 現在、かいとさんは夫妻で動画を発信しながら、幸せな日々を更新し続けている。自身の過去を公にした理由について、彼はこう語った。

「いま、似た境遇にいる人に少しでも『過去に悲惨な虐待を受けていても、バカな話をして笑えている未来もくるんだな』と感じてもらえたらいいなと考えていたんです」

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