連載「国税が暴いた関西“闇”マネー」第2回のテーマは、 反社会的勢力と建設業の癒着だ。税務調査がきっかけで、癒着に関する“驚愕の実態”が発覚しているという。こうした実態を読み解くためのキーワードが、いわゆる近隣対策を意味する「サバキ」である。

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錢高組の申告漏れから

 中堅ゼネコンの錢高組(本店・大阪市)が大阪国税局の税務調査を受け、2021年3月期までの4年間で、約4億円の申告漏れを指摘された。この件を朝日新聞は2022年7月にスクープした。申告漏れのうち約4500万円は下請け業者から錢高組側にキックバックされたリベートとみなされ、重加算税の対象となった。意図的な「所得隠し」と判断された格好だ。追徴税額は1億円超。錢高組は修正申告に応じたという。

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中堅ゼネコン・錢高組(本店・大阪市)は、2022年に約4億円の申告漏れを指摘された ©時事通信社

 関係者によると、問題とされたのは、錢高組など3社の共同企業体(JV)が受注した兵庫県西宮市内の鉄道線路の立体交差工事だ。下請けのA社(当時、兵庫県)に支払われた工事費や人件費のうち、約4500万円が複数回に分けて、錢高組の現場所長に現金で払い戻されていた。所長は現場責任者で、金を現場社員などとの遊興に使っていたことから、国税当局は錢高組へのリベートにあたるとみなし、錢高組による「所得隠し」と判断したという。

 当時、錢高組は朝日新聞の取材に対し、申告漏れを指摘されたことを認め「大半は海外での工事に関するもので(申告について)国税局との見解の相違があった」と説明した。一方、所得隠しについては「ノーコメント」と言うだけだった。

 東証スタンダードに上場している錢高組の2022年3月期の連結売上高は1019億円。1705年の創業から300年以上の歴史を持ち、関西地方を中心に様々な大型工事を手がけてきた有名ゼネコンである。大阪国税局の税務調査で明るみに出た錢高組の裏金問題は、その後、大阪府警の捜査によって異例の展開をとげることになった。