記事では、

「養親となりうる当事者の皇族の身内が養子案の議論を主導していることに、宮内庁内や識者らから懸念の声も聞かれる」

 と書く。「麻生の野望」とは一言も書かない。しかし、「麻生太郎氏の妹も対象」という見出しを掲げ、この一節を置く。一般紙らしい巧みな書き方だ。このあたりから報道の空気が変わり始めたと感じた。

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「麻生・鈴木体制のクーデターの要素が…」

 では、長年永田町を取材してきたジャーナリスト・後藤謙次氏は、この一連の動きをどう見ているのか。

 後藤氏は今回の国会運営を、

「麻生・鈴木体制のクーデターの要素があるのではないか」

 と表現した。クーデターとは政権を倒すという意味ではない。麻生太郎氏と、その義弟である鈴木俊一幹事長を軸にした国会運営によって、維新の選択肢が封じられたという意味だ。

 麻生氏に近いとされる森英介衆院議長が「皇室典範改正を最優先」と打ち出したことで、維新は反対できず、副首都法案や衆院議員定数削減法案は後回しになった。後藤氏は、その政治手法を「クーデター」と呼んだのである。

 もっとも、後藤氏は維新の力が弱まったとは見ていない。むしろ逆だ。自公政権では公明党が「ブレーキ役」だった。しかし維新は自ら「アクセル役」を担う。その結果、自民党の中からブレーキを踏まなければならない構図が生まれたという。後藤氏は、今回の国会でその政権構造が鮮明になったと分析する。

 では、なぜそこまで皇室典範改正を急いだのか。

「野党幹部は、自民党右派が最も恐れているのは『愛子さま人気』だと見ています」(後藤氏)

 もし愛子さまがご結婚され、お子さまが誕生すれば、「そのお子さまに皇位を継承してほしい」という世論が一気に高まる可能性がある。だから、その前に男系男子による継承を制度として固めたい。そんな見方も語られているというのだ。