テクノポップユニットのPerfumeののっち(大本彩乃)が、きょう9月20日、30歳の誕生日を迎えた。同じくメンバーのかしゆか(樫野有香)は今年12月23日、あ~ちゃん(西脇綾香)も来年2月15日にそれぞれ30歳となる。
のっちはもともと別のユニットだった
Perfumeは2000年、アクターズスクール広島の1期生により結成された(当初の表記は「ぱふゅ~む」)。翌年、あ~ちゃんとかしゆかと一緒にグループを結成したメンバーが脱退したあと、別のユニットにいたのっちが加入する。Perfumeはスクールのなかでもアイドル的存在だっただけに、あ~ちゃんから誘われたときは「うん入る!」と即答したという。あ~ちゃんに言わせると、何人か候補がいたなかからのっちを選んだのは《Perfumeとして最大の選択》だった(※1)。
こうして3人がそろうと、02年に広島限定でCDを2作リリース、03年にはサウンドプロデューサーに中田ヤスタカを迎え、「スウィートドーナッツ」でインディーズデビュー、テクノポップ路線に転換する。そして05年、「リニアモーターガール」でメジャーデビューを果たした。多くのアイドルグループがメンバーの卒業と加入を繰り返しながら継続するなか、デビュー以来、メンバーの変更がないまま、まもなく全員が30歳を迎えようとしているPerfumeの存在は貴重だ。
中3から守り続けてきたショートヘアの理由
先日、NHK総合の音楽番組『SONGS』に出演した3人は、“番組責任者”の大泉洋から、3人のなかでキャラクターは決まっているのかと訊かれ、髪型の違い――のっちはショート、あ~ちゃんはパーマ、かしゆかはストレート――をあげていた。デビューからほぼずっと変えていない髪型は、単に見た目を区別するだけでなく、それぞれの個性を際立たせてきたともいえる。それはとくにのっちに顕著だ。
もともと3人のキャラクターを、「夢みる少女のかしゆか、元気っ子のあ~ちゃん、ボーイッシュでサバサバ系ののっち」と見立ててくれたのは、広島時代から現在にいたるまでPerfumeを指導する振付師のMIKIKOだった。このキャラづけを気に入ったのっちは、中学3年で上京するにあたり、ロングヘアをばっさりショートにしたという。以後、20代前半ごろまで「私って何だろう?」とずっと迷っていたときも、ショートヘアだけは守り続けてきた。その理由について本人は、《自分がまだ確立していない分、せめてイメージだけは壊したくなかったのかもしれません》と後年振り返っている(※1)。