「ポリリズム」まで続いた“下積み時代”
Perfumeは07年に「ポリリズム」がCMに採用され、大ヒットしたのを機にブレイクをはたす。12年に初のアジアツアー、14年には初のアメリカ公演を含むワールドツアーを開催し、各地で観客をおおいに沸かせた。これと前後してNHKの紅白歌合戦には2008年から10年連続で出場し、毎年、新たなテクノロジーを用いたパフォーマンスが注目されている。
筆者は、Perfumeをインディーズ時代から観ていて、楽曲も好きだったが、正直、ここまで世間に受け入れられるとは予想もしなかった。それは活動の中心が秋葉原だったこともあり、サブカル色というかオタク色がちょっと濃い気がしたからかもしれない。メジャーデビュー時に都内で行なわれたインストアイベントも、観客の数からしてささやかなものだったと記憶する。いわば下積み時代だが、その後、どれだけ最先端の技術を採り入れようとも、彼女たちが人間的な温もりを保ち続けているのは、このころの体験で培われた部分が大きいように思う。次ののっちの発言も、下積みの長かった者ならではといえる。
《私たち3人の力ってそれほどでもなくって、周りが本当にプロフェッショナルな人たちで、思いもつかないようなことを提案してくれる。そのおかげで自分たちがPerfumeを飽きずにいられるし、私たちも自分に期待できるような環境をつくってもらってるんです》(※2)
「女の門出」30歳になったのっちは何を語るのか
先月には7thアルバム『Future Pop』をリリース。明日9月21日からは、長野ビッグハットを皮切りに全国9都市をまわるアリーナツアーがスタートする。2ヵ月ほど前に収録された雑誌のインタビューでのっちは、30歳を迎えることを「女の門出」と呼び、誕生日の翌日がツアー初日だと気づいてからというもの、《そこのどのタイミングで、何を喋ったらみんな喜んでくれるかなって、考えたらワクワクしちゃって(笑)》と語った(※3)。
ほかの2人によれば、自分たちが石橋を叩いているあいだ、行っちゃえと歩き出すのがのっちだという(※1)。年齢でも2人に先んじて30歳になった彼女は、ファンを前にどんな言葉を発するのだろうか。
※1 『anan』2017年2月15日号
※2 『AERA』2018年9月3日号
※3 『音楽と人』2018年9月号