新時代における仕事力の定義

 ポストAIにおいて、何に注力して技能を磨き、専門性を持ったらいいのかはその都度変化していく。予測は当てにならない。だが、何が来てもAIを徹底的に使い倒す前提で、AIの世界にジャンプインしておくことが「変化に対応する」強力な力となるだろう。誤解を恐れずにいえば、私は、新時代における仕事力は次のような関係で表せると考えている。

〈本体の強さ×AI力〉

 本体(人間)の強さとAIの力は掛け算になるということだ。例えば本体7の秀才が7のAI力があればかなりのパフォーマンスが出せる。ここでAI力を伸ばせば掛け算で大きな成果が出る。それこそ10倍のブーストが可能だ(図参照)。

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 ところが、本体が優秀でも、AI力がない人(0~1の人)はなかなかこの時代にパフォーマンスが上がりづらい。今後AIはあらゆる仕事の場面に深く組み込まれていくし、社内外を問わず競合相手はみなAIを活用しているからだ。一見AIとは関係なさそうな種・業態でも、見方を変えるとAIによる効率化や創造性の可能性が大きくあったりするものだから、ぜひ見直してみてほしいと思う。

 

本体がしょぼいとゴミを大量生産することに

 注意点は、本体がしょぼければいくらAI力があっても成果は出ないということ。AIでそれっぽいものは生成できても、業務で使い物になるものはつくれない。残酷なことに、本体が脆弱だと、むしろAIでゴミを大量生産することになる。俗にいう、ワークスロップ(Workslop:質の悪いAI生成物)の垂れ流しだ。

 現にそれはオープンソースの世界でも深刻に起こっていて、あるオープンソースのリポジトリにはAIでつくった使い物にならないPRが毎日大量に送られてきて、オーナーはもう一律でリジェクト(拒否)している有り様だ。

 これに類似したことはあらゆる場面で進行していて、基礎的な理解をスキップした人がAIを使ってもゴミがゴミたる所以にすら気づかず、垂れ流す結果となってしまう。元ソースにもあたらずクリティカルな検証もなしに、AIに丸投げした間違いだらけのレポートや論文を提出するような使い方、というとわかりやすいだろうか。こんなAIの使い方は、人類の壮大な時間の無駄だ。