座ったままの姿勢を長時間続けることで起こりがちな腰痛や肩こりを軽減でき、なおかつ集中力の向上に効果アリとして注目を集めているのが、立った状態での作業が行えるスタンディングデスクです。

国内メーカーも……広がる選択肢

 イスに座ることなく、立ったままデスクワークを行うことで、適度に体を動かすことになり、健康によいばかりか、気分転換としてもぴったりです。また立ったままの作業ということで眠気を覚ます効果もあるため、仕事中に座ったままうとうとしがちな人にとっては、業務改善の特効薬となるかもしれません。

 海外では数年前からちょっとしたブームとなり、日本でもベンチャー企業を中心に導入が相次いだこのスタンディングデスク、かつては海外ブランドの製品しか選択肢がありませんでしたが、近年はその効果が知られ始めたためか、国内メーカーも製品をラインナップするようになり、種類も豊富になってきました。どのような種類があり、どのような点に気をつけて選べばよいのか、チェックしていきましょう。

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こんなオフィスに憧れるが……いきなり丸一日立ったままの作業は厳しい ©iStock.com

“いつものデスク”に載せて使うタイプ

 スタンディングデスクがいくら健康状態の改善や集中力の向上に効果ありといっても、丸1日立ったまま作業をするというのは現実的には考えづらく、せいぜい全業務時間の半分ほど、それも30分や1時間単位で交互に、といったスタイルになるでしょう。

 こうしたことから注目を集めているのが、高さを自在に調節できる上下昇降タイプのスタンディングデスクです。高さを自分で上げ下げできれば、ふだんは通常の高さのデスクとして使い、必要な時だけ立った状態で使うという運用が可能になります。これならば、いざ買い替えてはみたものの、立った状態での作業がどうしても性に合わなかった場合も、通常のデスクとして使い続けられるので安心です。

 上下昇降タイプのスタンディングデスクは一般的なデスクに昇降機能を加えたモデルで、電動での昇降に対応した製品も存在しますが、最近ではサンワダイレクトの「100-MR141W」のように、既存のデスクに追加するだけで、こうしたスタンディング機能を使えるようにする製品も登場しています。高さも12段階で調節が可能ですので、使う人の身長、またその時の気分に応じて、自由に変えられるのも利点です。

既存のデスクに載せるタイプ。これならスタンディングデスクを気軽に試せる ©文藝春秋

 

パソコンを載せて作業してみる。自分の身長に合わせて高さ調節できるのが嬉しい ©文藝春秋

たたんだ状態で厚み3cm

 高さ調節機能は、さすがに電動ではありませんが、本体左右のレバーを引いてロックを解除すると、天板裏面のバネによって自動的に持ち上がる構造になっていますので、ノートPC程度であれば載せたまま上げ下げが行え、またいきなりバタンと天板が落下して手を挟むといった事故を起こす心配もありません。

 たたんだ状態での厚みはわずか3cmしかありませんので、スタンディング機能を使わない時も、デスク上に置いたまま通常のデスクワークが行えます。スタンディング機能を使わない時にいちいち本体をデスクから下ろすとなると、上に載せたPCやキーボードをどこかに移動させなくてはならず、現実的ではありませんが、本製品のような薄型であれば、その必要もありません。

たたむと厚さ3cm。普段からデスクの上に載せたまま使える ©文藝春秋