官邸周辺からは「物価高対策に冷や水をかけるような政策だ」との批判も
農林族の森山裕前幹事長は鈴木氏や官邸の動きに、
「買い戻しの予算はつけており、あとはタイミングの問題。コメの価格を長期的に安定させるためには『買い戻しを確実にする』という市場への早めのアナウンスは必要じゃないかと。大臣の気持ちもわかります」
と理解を示すも、官邸周辺からは、「政権が取り組む物価高対策に冷や水をかけるような政策だ」との批判も。ギクシャクするのは、官邸とだけではない。前出の農水官僚が声を潜める。
「味方であるはずの農水省幹部との間にも、深刻な溝が生じているのです」
一体どういうことか。
「きっかけは、高市内閣の『骨太の方針』に盛り込まれる水田政策を巡る昨年末の議論でした。渡邊毅事務次官ら幹部はコメ生産を自由化し、政府が支援制度を設けるべきだと主張。一方で、鈴木氏は農家への補助金で生産調整する旧来型の『ステルス減反』を訴えました。真っ向から対立し、遂には意に沿わない幹部を大臣室から“出禁”にしたのです。今でも関係は修復しておらず、大臣が局長級以上を呼んで定期的に開くランチミーティングに出席しない幹部もいる」(同前)
Xで「私は1人なので10人分以上の頑張りが必要」省内でも呆れ声
次官らと繰り広げた“コメ闘争”真っ只中の昨年12月下旬、鈴木氏はXの投稿で〈役所側が事務次官はじめ団体戦なのに対して、私は1人なので10人分以上の頑張りが必要〉と本音を漏らしている。
「今の省幹部は小泉氏時代に抜擢された“改革派”が多く、鈴木氏とは意見が合わない。それにしても、大臣自らこんな陰湿な投稿をするとは……。省内でも呆れる声が上がっていました」(同前)
鈴木氏周辺からは既にこんな声が漏れ始めている。
「次の内閣改造で、農水大臣は交代するだろう」
省幹部への“出禁”などについて鈴木氏の事務所に尋ねたが、期限までに回答はなかった。
いち早く取り戻すべきは、備蓄米ではなく失われつつある求心力だろう。