首を絞められるハプニングが…
阿川 だいたい子どもって、大人の想像をはるかに超えた面白いことをしてくれるから。印象に残っているハプニングはありますか?
花田 それこそ歌のお兄さんになりたての頃、「ちょうちょう」を歌っている時に、「両手をパーにして」と子どもたちに呼びかけたら、真後ろに座っていた子がパーにした両手で僕の首をグッと掴んできて……(笑)。
阿川 首絞められたの!?(笑)
花田 内心びっくりしながらも、そっと両手をほどいて事なきを得ました。他にも「ぞうさん」を歌っている時に、耳元で「♪ピタゴラスイッチ〜」と『ピタゴラスイッチ』のオープニングテーマをずっと歌っている子がいて(笑)。何百回と歌ってきた曲なのに、あの時ばかりは音程が分からなくなりそうでした。
阿川 アハハハ! 可笑しい。今の「おかあさんといっしょ」は歌のお兄さん・お姉さん、そして体操のお兄さんとおどりのお姉さんの4人体制なんですよね?
花田 はい。4人いることである種、分業ができてとても助けられています。体を動かす系の歌は体操チームの2人がやってくれたりするので。
未だに緊張する曲
阿川 歌のお兄さんとして今年で10年目を迎えたそうですが、ご自分の中で心境の変化はありますか?
花田 「歌のお兄さん」って本当に特別なお仕事だと思うんです。だから就任当初はすごく緊張していました。
阿川 でも音大を出てらっしゃるから、歌はお得意でしょう?
花田 歌は好きだし得意ではあるんですが、「サッちゃん」や「いぬのおまわりさん」のような童謡・唱歌って実は歌うのがすごく難しくて。
阿川 難しいんですか? 馴染みがありすぎるのかしら。
花田 それもあると思います。ただスラッと歌うことはできるんですが、収録で歌う時は未だに少し緊張しますね。あと、僕らは1オクターブ異なる音域で同じメロディーを歌う男女のユニゾンなので、ピッチ感を合わせるのが難しくて。それこそ童謡は音のズレなど最も顕著に伝わってしまうんです。
阿川 先代の(横山)だいすけお兄さんは歌い方が分からなくなった時期があったそうですが、ゆういちろうお兄さんの場合はどうですか?
花田 難しいと感じる曲はありますが、歌い方で悩んだことはあまり……。ただ、2019年に放送60周年を記念した「おかあさんといっしょ」のコンサートで、初代・歌のお姉さんの眞理ヨシコさんが「サッちゃん」を歌いながらご登場した時、僕、涙が止まらなくなってしまって。これはすごいものを聴いたぞ、と。
《現在配信中の「週刊文春 電子版」および7月23日発売の「週刊文春」では、花田が小中学校で不登校だった際のエピソード、「歌のお兄さん」になることを決意した瞬間の思い、「歌のお兄さん」卒業後の展望についてなどを語っている》

