――休み時間も一人で過ごされるほど、人の輪に入れなかったのはなぜでしょうか。
麻木 もともと体が弱くてマスクが手放せなかったこともあるのですが、それ以上に、自分の顔にまったく自信がなくて……。高校時代は学校にいる間、ずっとマスクを着けて、前髪で目元を隠して、できるだけ顔を見られないように過ごしていました。
――そこまでご自身を隠そうとしてしまったのには、どんな思いがありましたか。
麻木 周りの視線が本当に怖かったんです。お昼ご飯の時は、マスクを少しだけずらして食べていました。今思うと、周囲は察して見守ってくれていましたが、当時は今みたいにマスクを着けている人なんてほとんどいなかったので、逆に目立っていたんだと思います。
クラスメートの半分くらいは私の素顔を知らなかったんじゃないでしょうか。マスクを外して街を歩いていても、私だと気づく人は少なかったと思います。
いじめや誘拐未遂が重なって「全部、私が悪いんだ」
――当時、どうしてそのような心理状態になってしまったのでしょうか。
麻木 小学校ではいじめがありましたし、クラスのみんなから無視されたりもしました。このお話をすると、「綺麗だから嫉妬されてたのでは?」と言ってくださる方もいらっしゃいますが、かわいくて人気者の子は、ちゃんと周りから愛されていたので、私はそう思いません。
だからこそ、「全部、私が悪いんだ」と思い込むようになってしまいました。
――その思いが、先ほどお話しされていた、マスクで過ごしていた日々にもつながっていくのでしょうか。
麻木 そうですね。ずっとマスクをしていて表情が読めないからか、先生からも嫌われていましたし、学年で集まっている場で名指しされて怒られたり、生徒指導室へ呼ばれて、「クラスがまとまらないのはお前が黒幕だからだろ」と言われたこともあります。風紀違反なんて何もしていないのに、理不尽なことばかりで、本当に生きづらかったですね。

