厚生労働省「国民健康・栄養調査」(2024年)によれば、「糖尿病が強く疑われる者」の数が、国内推計で約1100万人。成人のおよそ10人に1人に相当する。
中年期に糖尿病を放置すると、認知症まっしぐら。では糖尿病治療薬に予防効果はあるのか? “痩せ薬”としての使用が問題視されている「マンジャロ」は? 鍵となるのは血糖値のコントロールだ。
君、糖尿病だろ?
Q 49歳、オジ記者です。夏は冷たくて甘露なスイーツが目白押し。アイスやコーラが恋しい季節が待ち遠しいです。
A 君、糖尿病だろ?
Q はい! 血液検査で、空腹時血糖値が130mg/dL、直近1〜2カ月の血糖値の平均値を示すHbA1c(ヘモグロビンエーワンシー)が7.1%であります!
A 立派な糖尿病だね。糖尿病の診断基準は、空腹時血糖値が126mg/dL以上、HbA1cが6.5%以上。糖尿病は認知症のリスクだから甘い物はやめたまえ。
Q 嫌だ! 糖尿病はシニアの認知症リスクでは?
A 最近の研究では中高年世代も立派なリスクなんだ。
Q 現実は甘くない……。
マンジャロで認知症リスクは下がる?
A 米・ニューヨーク大学の研究(24年)では、50歳未満で遺伝や生活習慣が原因で発症するⅡ型糖尿病(Ⅰ型は自己免疫の異常が原因)と診断された人は、70歳以上で診断された人より1.9倍も認知症の発症リスクが高かった。この研究では、糖尿病診断時の年齢が1歳若くなるごとに認知症リスクが1.9%増加すると報告されている。
Q 治療を受けていない人は、年々リスクが上がっていくのね……。
A そう。米・南カリフォルニア大の研究(19年)によれば、糖尿病を放置している人は、治療中の人と比べて約1.6倍も早く認知症の兆候が現れた。治療をせず、糖尿病に罹患している期間が長いほど、目や腎臓、末端神経など、全身へのダメージが蓄積する。糖尿病の放置は厳禁だ!
Q オイラ、どうすれば?
A 治療薬を使いながら血糖値を下げる努力をしよう。
Q 最近、医師からGLP-1受容体作動薬の「マンジャロ」を勧められて。でも、痩せ薬として使う人が増えて吐き気などの副作用を訴える人もいるとか。何だか怖くて別の糖尿病治療薬を服用しています。
A マンジャロは世界初の持続性GIP/GLP-1受容体作動薬で、Ⅱ型糖尿病の治療薬として開発された。強力な血糖降下作用に加え、食欲抑制作用などもあり、体重減少による痩身効果も期待できる。ただ、ダイエット目的での使用は健康被害の恐れもあって国内では未承認だ。