Q 美容クリニックの自由診療(自費診療)による処方やSNSでの無許可販売が問題になっていますよね。

A 保険適用される糖尿病治療薬としては効果が高い薬だが、本来の目的から脱線中だな。私のクリニックでも処方しているが、副作用はほぼ出ていない。主治医によく相談して、経過をみながら使ったほうがいい。

Q 肥満も認知症リスクだから気持ちはわかる。話は戻って、マンジャロなどの糖尿病治療薬を使うと認知症リスクは下がりますか?

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A 下がるとみていい。米・フロリダ大学が昨年発表した研究によれば、他の血糖降下薬を服用した人と比べて、GLP-1受容体作動薬を服用した人は33%、SGLT2阻害薬は43%、アルツハイマー型認知症の発症率が低下した。

Q SGLT2阻害薬?

A 体内の余分な糖を尿から出す糖尿病治療薬だ。

Q 糖尿病治療薬を飲んでいれば大丈夫っスね!

 

A 甘いな。漫然と糖尿病治療薬を飲み続けて安心するのは誤解も甚だしい!

 GLP-1受容体作動薬は食欲が急激に落ちるなどの副作用が稀に出る。SGLT2阻害薬も尿から糖を出すため、膀胱炎などの感染症リスクに要注意だ。

Q メリットとデメリットがあるわけですね。

A 薬ばかりに頼っていると、肝臓や腎臓に負担がかかる。主治医と相談して薬を減らす準備もすべきだ。

Q 薬を減らす?

A 中高年からシニアになるまで糖尿病治療薬を飲み続けていると、今度は逆に低血糖に陥るリスクがあるんだよ。

Q ええ? なぜ?

A 退職や子育てからの卒業で生活が落ち着くと、血圧や血糖値が自然と下がる人が多いからだ。シニアになってからも、同じ糖尿病治療薬を飲み続けると、血糖値が下がり過ぎて低血糖になる場合がある。しかも薬を飲み忘れたと勘違いして飲み過ぎる過剰摂取の危険もある。

血糖値スパイクが最も危険

Q もしや低血糖も認知症のリスクですか?

A ふくよかなのにシャープな読みだ。オーストラリアの研究(25年)では、低血糖が全認知症のリスクを49%、アルツハイマー型認知症のリスクを31%増加させると発表した。

Q なぜ低血糖は危険?

A 低血糖になると、脳の唯一のエネルギー源である糖分が不足する。栄養不足に陥った脳細胞はダメージを受けやすくなるんだ。

 

Q 血糖値は高くても低くてもダメなのかぁ。難しい。

A 血糖値が急激に上がって下がる血糖値スパイクが最も危険だ。前出のオーストラリアの研究でも、血糖値の急激な変動は全認知症に対する発症リスクを3.88倍高めたんだ。