鄙びた温泉街、迷路のような路地、静かにたたずむ木造駅舎…。
一度も来たことはないのに、なぜか懐かしく心惹かれる。
そんな、郷愁溢れる風景を求めて旅する「一人旅研究会」こと栗原悠人さん。
栗原さんが全国各地でカメラに収めた心揺さぶるシーンをお届けする。
写真・文=栗原悠人
産業の衰退や人口減少などで、人口が0になった町。
人口数十人ほどの集落から、1万人以上の人口を数えた北海道の大炭鉱街等、往時の姿は様々である。
建物や散乱した家具などの、人々の生活の痕跡を見て、「かつては多くの人々の声が響いていたのだろう」と、心がぎゅっとなる。
そう遠くない昔、ここには確かに人々の営みがあったのだ。
ここに住んでいた人が、どのような想いで町を離れたのかを想像し、旅愁を覚える。
事情で住めなくなった廃集落
■北海道・洞爺湖町泉
有珠山の噴火により住めなくなった地域。交差点跡地には水没したままの車両が残されていた。
■福井・永谷集落
発電所の建設に伴い、地元住民は立ち退きを余儀なくされたが、後に計画が白紙になってしまった。
秘境の廃集落
■滋賀・入谷集落
国内有数の廃集落が密集地である、琵琶湖南東の山奥。集落手前の廃倉庫群が目を引いた。
■北海道・釧路町跡永賀(あとえか)村十町瀬(とまちせ)
海岸際の無人になった集落。付近は難読地名の宝庫。浦雲泊(ぽんとまり)や冬窓床(ぶいま)などがある。
■滋賀・男鬼(おおり)集落
ザ・日本の農村な光景が広がっていた。誰も住んでいないとは思えないほど、落ち着いた雰囲気だ。
■静岡・夏焼集落
1km以上もある細い隧道を進んだ先にある秘境集落。現在もお茶の栽培がされている。
■福井・虫谷集落
離村から半世紀以上が経っているが、定期的に手入れされており、綺麗な姿を保っている。
炭鉱・鉱山にかかわる廃集落
■岩手・松尾鉱山
鉱山で働いていた従業員と家族が住んでいた。これだけ巨大なのに人の気配がせず、不思議な感覚になった。
■奈良・中津川集落
付近の鉱山の閉鎖に伴い人口が減っていった廃集落。集落内にある学校は昭和44年休校、以後再開されることなく、平成10年頃に閉校した。
■北海道・上砂川町東町
山を拓いて住宅地として開発された。炭鉱業の衰退もあり、25棟ほどある長細いアパートは現在無人。











