ビニール袋いっぱいの血を吐いた
――胃を全摘出したあと、食べ物を食べると身体はどのような反応になるのでしょうか。
不破 私が受けた手術は、「ルーY法」と呼ばれる、胃の切除やバイパス手術のときに行われるポピュラーな消化管再建術です。
単純に言うと、食道から直接腸に食べ物が送られるんですね。結果として、すぐにお腹がいっぱいになったり、異常にゲップが出たりします。また、ダンピング症候群と言って、すぐに高血糖になるため毎食後にかなりの眠気に襲われます。椅子に座りながらバタンと寝てしまうこともしばしばあるんです。それから、ひどいときには食後4~5回ほど下痢をすることもありますね。
また、「ルーY法」によって食道と腸を固く縫われていることが関係するのか、喉の下がきゅっと苦しい感じがします。大げさに言えば首を絞められている感じですね。
――全摘手術そのものの壮絶さについてもお聞かせください。
不破 かなり辛かったです。術後3日間は、激痛で「こんなに痛いなら死んだほうがマシだな」と本気で思いました。原因不明のまま、ビニール袋いっぱいの血を吐いたこともあり、死をかなり身近に感じました。
――現在、抗がん剤治療をされておられるとのことですが、それに伴って辛いこともありますか?
不破 原則として、抗がん剤治療投与を2週間続け、次の1週間が休薬期間――というサイクルで治療を行っています。薬を摂取していると、身体はけだるくなりますし、味覚障害も出てしまうんです。私の場合は、にんにくや化学調味料がまるでダメで、口に含むと「うっ」となるようになってしまいました。また、肉は鉄の味がするので、普段は好きな肉を食べることもできません。
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