一番大事に、念入りに洗うところはどこでしょうか
しかし、しかしですね、そういう汚い手でトイレには行くわけじゃないですか。おしっこしたいから。出すべきものを出さないと、指先が汚いどころの騒ぎではない。それは本末転倒ですし、論点がずれています。小便大便の類は生理現象ですから、すべてにおいて優先されるのは当たり前のことだと私は思います。
そこで出てくるのは、その汚い指先で大事な息子を持つべきかという重すぎる命題です。私はいままでずっとトイレに入る前に手は洗うべきだ、そう信じて生きてきました。いいですか。男性諸君ならご理解いただけると思いますが、お風呂なりシャワーなり入るとき、一番大事に、念入りに洗うところはどこでしょうか。私は股間、とりわけ前の方に鎮座増します物件と後ろの穴であろうと思います。異論のある人は手を挙げなさい。その一物が使用済みであろうと使用不可であろうと無関係に、生殖において必要な場所であり、感染症を防ぐためには重要であるという観点から、一定の文化的生活をしている人たちは間違いなく優先して洗う、大事な場所ではないかと思うのです。
その大事なソーセージをですよ、吊り革やお金や靴紐やエスカレーターの手すりを触った手でダイレクトに触ることが衛生的だと思いますか。それは否。圧倒的に否であり、否であるべきだと私は思うわけです。駄目ですよ、ちゃんと手を洗ってから竿をいじらないと。
真の文明国になるために
ところが、先日宴会があったので結構自信満々に多くの人の集まる場所で「私はトイレに入る前に手を洗います」と公言したところ、それはもう、引き潮もかくやというほどにドン引かれました。なぜだ。私は正しいことを言っているはずなのに、なぜ人は理解しないのか。天動説を唱えて無知蒙昧の徒に全否定されたガリレオの心境です。
食事の前に手を洗いましょう。これは当たり前です、汚い手で食事をしたら不衛生ですから。箸を使うから清潔だと言いたいかもしれませんが、箸を割るときや、ちょっとしたやらかしで何かに感染してしまう恐れもあります。やはり、飯を喰う前には手を洗うのが王道なのです。そこまでは、皆さん良くご理解いただけることかと思います。
なのに、なぜ己の股間の滾るバナナを操り厠で用をたすときに手を洗わなくて良いと思い込んでいるのか。ここに常識の壁をぶち破れない凡百の人々の思慮不足が凝縮されていると私は考えるのです。私は真の文明国になるためにはこの不見識に立ち向かわなければならないと感じるんですよね。
もちろん、仕事柄手が汚れることがある人も少なくないと思うのですが、せめて食事や排泄など口に入ったり粘膜に触れるような場合は極力最低限でも手を洗うことを奨励していきたいと日々思っております。
引き続き、よろしくお願い申し上げます。