また結婚した女性皇族について、女性皇族は皇統譜と住民基本台帳に、夫と子は戸籍と住民基本台帳に記載されるというのは、大きな仕組みを作らないで、部分部分をそれぞれの既存の仕組みにはめ込もうとしているということである。ヨーロッパの王制の国を参考にすればいろいろなやり方が可能で、政府が工夫を怠っている印象はぬぐえない。
これが皇室典範改正「だまし討ち」の正体
法案を書くのは無論役人である。政府法案だから内閣法制局を通るが、当然内閣法制局は右に述べたようなことは指摘しただろう。にもかかわらずこのような法案が出てきたということは、やはり背後の政治的意思の存在を思わせる。これがだまし討ちの正体ということになる。
私が危惧するのは、そのような政治的意思が存在して、2005年の有識者会議の報告書で「国民の理解と支持、安定性、伝統のいずれの視点から見ても問題点があり、採用することは極めて困難である」として否定された案が、いつの間にか息を吹き返し、衆参3時間ずつの審議だけで、多くの国民が危惧するなか、野党も同調して可決されたという事実である。この先、一旦過去に否定されたものでも、甦って時の権力の手で実現されることもあり得るかと思うと、正直暗澹とならざるを得ない。
※本記事の全文(約9000字)は、月刊「文藝春秋」9月号と、月刊文藝春秋のウェブメディア「文藝春秋PLUS」に掲載されています(細川護熙「緊急提言 皇室典範『だまし討ち』改正は許されない 高市総理よ、日本を壊すな」)。 全文では、下記の内容をお読みいただけます。
・天皇制が現代国家と共生するために
・目標が明確だった以前の自民党リーダー
