「ヒゲの殿下」として知られた寬仁親王（2012年に薨去）の第一女子・彬子さま（43）が、当主不在となっていた三笠宮家の当主となり、信子さま（70）が同家を一人離れて「三笠宮寬仁親王妃家」を創設、当主となると発表した。この母娘の“分裂”は、どこから生まれたのか。
ジャーナリスト・秋山千佳氏と本誌取材班によるレポート「彬子女王と母信子妃 決裂の瞬間〈三笠宮家分裂の凄まじい内幕〉」より、一部紹介します。
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「いつ何時離婚の危機が……」
1997年、英国王室のダイアナ元妃が事故で他界した。
この報に触れた15歳の彬子さまと13歳の瑶子さまが、“離婚”について尋ねたと、寬仁さまと主治医団の共著『癌を語る』（1999年）で明かされている。
「オトーマ（※お父様の略称）とオカーマ（※お母様の略称）が離婚したら、私たちはどうなるの？」
寬仁さまの記述には、「いつ何時離婚の危機が、我々の上に降ってくるか分かりませんから、子供たちにも覚悟しておいて欲しいので、真剣に、微に入り細を穿ち説明をしました」とある。軽井沢の山小屋での出来事らしいが、信子さまはこの場面に登場しない。
2001年、20歳の誕生日を迎える彬子さまが成年会見を行った。後にオックスフォード大学で女性皇族として初の博士号を取得し、留学記『赤と青のガウン』（2015年。2024年文庫化）が累計38万部のベストセラーとなる彬子さまだが、当時は学習院大学在学中であり、オックスフォード大学で1回目の留学生活を送る最中だった。
会見で母・信子さまについて尋ねられた彬子さまは、母の影響で料理好きになったとし、こう続けた。
「母は礼儀作法ですとか言葉遣いですとか、やはり皇族としての古き良き伝統を守るというようなことに関してはよく申します」
実はこの時期、母娘の亀裂と夫婦の溝が表面化しつつあった。
寬仁さまの知人B氏が回想する。
「2000年頃から、寬仁さまが信子さまとうまくいっておらず話し合いをしていると聞いていました。離婚という言葉も出ていました。お話からは、母娘仲の悪化が夫婦仲にも発展した印象を受けました」
三笠宮家関係者X氏の話はさらに踏み込んだ内容だ。
「彬子さまが20歳になる頃、瑶子さまとともに、寬仁さまに『家族会議を開いてください』と申し出られました。母である信子さまには虚言癖があったとされ、耐えがたい言動についてお伝えになったのです」
知人C氏は、女王2人の訴えの内容を、寬仁さまから直に打ち明けられたという。
「信子さまは日常的に躾の一環としてお二人を2、3時間でも立たせっぱなしにして説教したり、その説教の中で他の宮家に関してあることないこと、悪口のようなものを吹き込んだりしたというのです。
お二人はご幼少時には母の言葉を信じ込んでいて、他の宮家に近づくことがとても怖かったそうです。寬仁さまも信子さまの言動の矛盾には気づいていたそうですが、お嬢様たちの長年の苦しみに気づけなかったことに多大なショックを受け、お二人のためにもこれ以上一緒に暮らすわけにいかないと考えたといいます」
