日本を動かす官僚の街・霞が関から“マル秘”情報をお伝えする『文藝春秋』の名物コラム「霞が関コンフィデンシャル」。最新号から、ダイジェストで紹介します。
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エリートも制御不能
9月6日に悠仁さまの成年式が執り行われる。秋篠宮家を支える皇嗣職でトップの重責を担うのが吉田尚正皇嗣職大夫(昭和58年、警察庁)である。
吉田氏は灘高、東大法学部卒業後、警察庁に採用された霞が関の典型的なエリートだ。ただし「ひ弱な秀才」というイメージとはほど遠く、学生時代には少林寺拳法部に所属した有段者で、「まさに文武両道そのもの」(警察庁幹部)。
警察キャリアとしては若手のころから「将来の長官候補」とされ、主に刑事部門を歩むとともに、警備部門でも要職を経験してきた。警察庁長官への登竜門とされる警視庁刑事部長、警察庁首席監察官などを歴任。福岡県警本部長在任時には、特定危険指定暴力団「工藤会」の壊滅作戦を指揮、トップを逮捕するなど大きな成果を上げ、2016年に警察庁刑事局長まで上り詰めた。
次は警察庁ナンバー3である官房長就任が有力視されていたのだが、パワハラ気質の栗生俊一元警察庁長官(56年、同)に目をつけられた。2期下の後輩である吉田氏をライバル視どころか、敵視するまでになり、長官コースから、吉田氏を警視総監へと追いやった。栗生氏の後任の警察庁長官には吉田氏の同期で、栗生氏のお気に入りの松本光弘氏(58年、同)が就任したという経緯がある。
吉田氏は2018年に退官、以降民間でトヨタの顧問などを務めた。2022年に秋篠宮家担当の宮内庁御用掛となり、2024年に現職に就いた。
現在、吉田氏の悩みの種は、小室圭さん、眞子さん夫妻の動向だ。2人は成年式に揃って出席しない見通しというが、この点について問われた吉田氏は「前例に則って準備を進めている」と答えるばかりで、要領を得なかった。
〈この続きでは、吉田氏の“悩みの種”についてさらに詳しく解説しています〉
※本記事の全文(約5800字)は、月刊文藝春秋のウェブメディア「文藝春秋PLUS」と「文藝春秋」2025年10月号に掲載されています(霞が関コンフィデンシャル)。全文では下記の内容をお読みいただけます。
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「霞が関コンフィデンシャル」の特別編で吉田氏について掘り下げています。合わせてご覧ください。
《悠仁さま成年式》「すこぶる不機嫌なのが隠せていない」元警察官僚エースは秋篠宮家を守れるか?
■連載「霞が関コンフィデンシャル」
【2025年】
7月号 「コメ次官」は誰に?、年金改革の余波、“マフィア”の系譜、肥大する内閣官房
8月号 “フッ軽”の新経産次官、主税局長留任の決意、小泉農水相のブレーン、「首相肝煎り」の迷走
9月号 財務省に潜む爆弾、うつむく官邸、平成元年組の明暗、エースのイメチェン
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