『シェルター』

 近年のジェイソン・ステイサム主演作は、基本的に設定は同じだ。

 元は凄腕のエージェントだった主人公が、今は一線を退いて××を営んでいる。だが、お世話になった人が被害に遭ったことで、再び闘いの世界に身を投じる――。

『シェルター』

 この「××」のバリエーションによってのみ、違いを作っているといっていいだろう。養蜂業だったり、土木作業員だったり。そして本作の場合は、孤島で灯台守のようなことをしている。鉛色の曇天の下、激しい波が打ちつける絶海の断崖。そこにたたずむ、完全防寒の髭面のステイサム。宣伝のキービジュアルにもなっているこの画だけで、ステイサム好きには既に満点といえるだろう。

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 もちろん、映画としても面白い。今回は、ステイサムは狙う側ではなく狙われる側。相手は訓練を積んだ英国の特殊部隊だ。しかも、巻き込まれてしまった身寄りのない少女を守りながら――という、ハンディキャップを抱えた闘いになる。そのため、一方的に敵を強襲しまくった従来のステイサム映画に比べると、ハラハラドキドキのサスペンス性は高い。また、従来の孤高の闘いも良いのだが、今回は互いに心を閉ざした者同士の触れ合いという『レオン』的な人間模様が加わったことで、ステイサムの温かみや人情味も伝わり、より重層的な魅力を味わうことができる。

 そして、舞台設定も好みだ。冒頭の孤島に始まり、物語の大半はスコットランドの田舎で展開される。その独特な、荒れて乾いた景色がステイサムの武骨な風貌とキャラクター、そしてソリッドなアクションに完璧にマッチ。ハードボイルドな世界構築に大きな効果をもたらしていた。

『シェルター』
監督:リック・ローマン・ウォー/出演:ジェイソン・ステイサム、ボディ・レイ・ブレスナック、ビル・ナイ、ナオミ・アッキー、ハリエット・ウォルター、ダニエル・メイズ/2026年/イギリス・アメリカ・カナダ/107分/配給:キノフィルムズ/©2026 Fire Hawk Productions Limited. All Rights Reserved./8月28日(金)全国ロードショー

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