がんは早く見つければ治る時代。では、どうすれば効率的に発見できるのか。「生活の中でのサイン」から「検診のポイント」まで、“最高の医師”11人が徹底解説します。[全16記事]
〈はじめに〉運頼みではない手がかりを
秋山千佳(ジャーナリスト)
「各がんのリスク因子やセルフチェックのポイント、リスクに応じた検診・検査方法を知ることは、普段意識しにくい部位も含め、自分ごととして考えるきっかけになるはずだ。正しい知識を得ることで、周囲の人の命を守る可能性も上げられる」

[1]胃がん 「ピロリ菌」は除菌後もハイリスク
矢作直久(スタンフォード大学医学部教授)
「ピロリ菌は胃がんができやすい環境を作る要因ですが、そこに塩分が加わると圧倒的にがんができやすくなる。いわば、火に油を注ぐ役目をするのが塩分なのです」

[2]食道がん 胃と一緒に内視鏡でチェックすべき
矢作直久(スタンフォード大学医学部教授)
「食道がんも胃がんと同じく、早期なら内視鏡治療で切除でき、予後も良好です。リスクのある人は何も症状がなくとも、検診で必ず内視鏡検査を受けてください。これが一番のアドバイスです」

[3]大腸がん ポリープを全切除すれば10年予防効果
斎藤豊(国立がん研究センター中央病院内視鏡センター長)
「便潜血検査や内視鏡を1回でもしていればもっと早期に見つかったのですが、専門が違うと医師でも理解されていないことがあります」

[4]膵臓がん リスク因子を確認し、医師任せにしない
花田敬士(JA尾道総合病院副院長、膵・胆道疾患センター長)
「生活習慣を変えていないのに、急にヘモグロビンA1cの数値が悪くなるとか、糖尿病の家族がまったくいないのに人間ドックで突然『血糖値が高いですよ』と指摘されることは重要なサインの一つです」

[5]肺がん 重喫煙者は低線量CT検査を受けよう
滝口裕一(山王病院腫瘍内科・呼吸器内科部長、千葉大学名誉教授)
「毎年受けてさえいれば、医師が過去の画像と比較してわずかな変化に気づくチャンスは高まります」

[6]乳がん 少なくとも月一、鏡でセルフチェック
山内英子(ハワイ大学外科・がんセンター教授)
「乳房の異変に気づいても、直近の検診で陰性だったから、と放っておく人は少なくありません。ですが、がんのタイプによっては短期間に腫瘍が大きくなることがあるのです」

[7]膀胱がん 「痛みのない血尿」は貴重なサイン
野々村祝夫(大阪大学大学院医学系研究科教授)
「大体の方は真っ赤な尿はすぐに止まるので、痛みもないし様子を見るか、と放っておきがちです。ですが早期発見のためには、肉眼でわかる血尿が1回でも出たら、すぐに泌尿器科を受診してほしいと思います」

[8]前立腺がん 50歳過ぎたら一度はPSA検査を
野々村祝夫(大阪大学大学院医学系研究科教授)

[9]白血病 原因不明の出血・アザ・貧血は血液検査する
神田善伸(自治医科大学医学部教授)
「誰に起きてもおかしくない病気ですし、有効な予防法もない。初発症状らしいものに気づいたら、近所のかかりつけの病院でいいので血液検査を受けてください。危険な兆候があれば緊急連絡してくれます」

[10]胆道がん 「脂肪肝だから」と決めつけない
伊佐山浩通(順天堂大学大学院医学研究科教授)
「早期発見率が一番高いのはMRIです。ただ、全身MRI検査だと細かい腫瘍は見つけにくい。お腹のMRI、特にMRI装置を使って胆のうと胆管、膵管を撮影するMRCPという検査が見つかりやすいです」

[11]腎臓がん 40代以降は年一の超音波検査が大事
大家基嗣(国際医療福祉大学医学部・大学院教授)
「人間ドックを毎年受けるのが一番いいと思います。そもそも腹部超音波検査は腎臓だけでなく、肝臓や膵臓なども見ることができ、命を守るための情報量が豊富です」

[12]肝臓がん 注目すべきはγ-GTPよりALT
竹原徹郎(関西労災病院病院長)
「肝臓がんは60代から急増しますが、最初の肝障害が始まってがんが出るまでには20〜30年かかります。つまり、がんの端緒は早い人だと30代にはある」

[13]子宮体がん[14]子宮頸がん 原因も検査も対策もまったく異なる病気
青木大輔(赤坂山王メディカルセンター院長・慶應義塾大学名誉教授)

[15]卵巣がん 生理痛やお腹の違和感で見つかることも
青木大輔(赤坂山王メディカルセンター院長・慶應義塾大学名誉教授)
「偶発的に見つかるケースが多いです。生理痛やお腹の違和感が気になるといったことで来院されて、超音波検査をして卵巣がんが見つかった例はたくさんあります」

出典元
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