トヨタ以外でも続々と採用が進む「コの字型」デザイン

 ハンマーヘッドデザインとは、ヘッドライトとスモールランプ(デイタイムランニングランプを含む)を連続させた「コの字」型とすることで、薄いヘッドランプを特徴的に魅せるもの。ハンマーヘッドシャーク(シュモクザメ)の頭を上からみた形状をモチーフにしていて、フロントマスクを印象的なモノとして、ブランドイメージをより周知させることを狙っているのだ。

 街を走るクルマたちを見ると、ヘッドライトユニット内でスモールランプをコの字型に点灯させるデザインを採用しているブランドや車種は、意外と多い。スバル、ルノー、アウディなどが代表的だが、それぞれに微妙なデザインの違いをみせている。

 トヨタの場合、ハンマーヘッドとは名乗るものの、実際には多くの車種では下側の角は丸められて弓のような形状とすることで、他社とは差別化を図っている。

ADVERTISEMENT

現行のプリウス。コの字型のハンマーヘッドデザインであるヘッドランプが大きな特徴だ(トヨタ公式サイトより)

 ハンマー繋がりで言えば、ボルボは北欧神話に登場する雷神トールが使っていたハンマーをモチーフとしたデイタイムランプをライトユニットに組み込んでいる。このトールハンマー・ヘッドライトは、ハンマーを横にしたようなデザインで、点灯時にボルボであることを強くアピールする。

ボルボの「XC90」。ハンマーを模したようなデザインのライトが目を引く(公式サイトより)

 トヨタのハンマーヘッドデザインも、同様の効果を狙ったものだ。ボルボと比べ車種バリエーションが幅広く、車格や形状なども大きく異なる車種展開のため、車種に合わせてモチーフを変化させて応用している。SUVなどフロントマスクが分厚い車種では、無骨さを強調するためにも弓型ではなくコの字になっていたり、複眼的に上下2本に分かれていたりと、必ずしも統一されたデザインではなく、あくまでコンセプトを統一しているに過ぎない。

 アクアやbZ4Xのようにマイナーチェンジによって採用されるケースでは、制約も多いためプリウスやクラウンほど車体にマッチしているとは言い切れないモノもある。しかし採用車種が増えるほどトヨタの新しい顔として認知度が高まっていくのだから、これも戦略としては正しいのだ。

 それにしても、“80点主義”を標ぼうしてきたトヨタが、なぜここにきて賛否両論かつ辛辣な批判も受けるようなデザインを強く推進しているのか。次の記事では、デザインによって浮沈してきた歴代のクルマなども見ながら、この点を深掘りしていく。

次の記事に続く プリウスだけでなく「憧れの高級車」クラウンにまで導入で疑問の声も…トヨタ「ハンマーヘッドデザイン」に見る“80点主義”の終焉

記事内で紹介できなかった写真が多数ございます。こちらよりぜひご覧ください。