ついに見つかった「最重要容疑者」

 警察はこの男が事件に関与したものと行方を追う一方、被害者宅から約10キロ離れた鹿島郡沼崎村(現・茨城町)駒場の涸沼川堤防近くで、大沼さん宅から盗まれていた自転車と長靴を発見。さらに、たまたま同じ場所で拾ったという村民から、犯人の着衣と思しきワイシャツが提供された。

 シャツには「フ ミドリ」の文字とイニシャル「I・M」の刺繍が入っており、警察はさっそく前歴者リストを調査。目撃情報なども照らし合わせ、神奈川県横須賀市出身で宇都宮市在住の緑志保(当時43歳)を捜査線に浮上させる。

 緑は私生児として生まれ13歳のときに養子先から家出。その後、窃盗、詐欺などを繰り返して前科8犯、24年間を刑務所で暮らしてきた男だった。

次の記事に続く 「車に酔うから」と犯人はポケットに手を入れて…《9人殺害》茨城県の田舎村を恐怖に陥れた43歳男の「まさかのその後」(昭和29年の事件)