「あいつには負けるなよ」周りはみなライバルだと叩き込まれて
チェキッ娘時代はグループなので、どうしてもメンバー同士が比較されます。
グループを卒業した後、ソロで活動を始めてからも、もちろん周りと比べられる日々は続きました。当時のマネージャーさんからは「あいつには負けるなよ」といつも言われ、周りの人たちはみなライバルだと叩き込まれました。ほかの子ができて自分にできないことがあると、劣等感も強くなっていったんです。
また、こちらが友達だと思っていても、相手からはライバル視されていて、蹴落とすようなことを言われたり、ギクシャクした関係になったこともありました。
そのため、同じ仲間が集まる食事会には参加しないようにしました。「みんなで椅子取りゲームをしているのに、いったい何をしゃべるんだろう」と思っていたんです。
30代になると、同業者をライバル視することも少なくなりましたが、今度は独特の悩みが出てきました。
若いころは食事制限をしていましたが、30代からはきちんと栄養を摂ったうえでトレーニングして身体づくりをする生活に変わっていきました。そのため食事はいつでもしっかり食べるようにしています。
たまに出席しなくてはならない会食があると、周囲の女性と食事量が合いません。私だけがガッツリ食べるため、周りから浮いてしまうように。「熊切あさ美って、大食いだよね」と囁かれないよう、事前になにかしらお腹に入れてから食事会に向かうこともありました(笑)。
飲みに連れて行ってくれる芸能界の「お父さん」
芸能界で飲みに行くのは、まったく違う立場で活躍している方たちでした。志村けんさんや、やしきたかじんさんにお酒の飲み方を教えてもらったのは、貴重な経験でした。吉幾三さんは私のことを娘のように可愛がってくれて、あんなに大御所なのに私を飲みに連れて行ってくださいます。
可愛がってくださるといえば、20代のころ、大阪のレギュラー番組でご一緒させていただいていた上方落語家の桂小文枝さん。
今でも時おり「いつになったら、あなたの幸せなニュースが舞い込んでくるのか。大阪の父とすれば非常に心配です」なんてメッセージをいただきます。そんな素敵な「お父さん」が大阪にもいて、本当に幸せだと思います。
現在、ありがたいことにこんな私にも「食事に行こう」と声をかけてくれる人は多いのですが、バチバチのライバル時代の記憶がよみがえってきて、「私と仲良しだったら、この人に迷惑がかからないかな」と多少気になってしまう自分もいたりします。
