「芸能界からも、この世からも消えたい」。何度もそう思った――。人生で最もつらく悔しかった恋愛スキャンダルの渦中、熊切あさ美をギリギリで踏みとどまらせたのは、恩人の“ある一言”だった。

『元祖崖っぷちアイドルの熊切あさ美が、全肯定BODYを手に入れた理由』(主婦と生活社)より、熊切あさ美が「結婚」を考えた男性との一部始終を語る。(全4本の3本目)

熊切あさ美(撮影:矢島泰輔)

◆◆◆

ADVERTISEMENT

「崖っぷちアイドル」ゆえのお別れ

 20代、30代のときは、「いつかは結婚して子どもが欲しい」と思っていました。

 恋愛もたくさん経験しましたが、芸能人同士でトラブルになると、事務所を巻き込んで大騒動になることを身をもって実感しました。

「崖っぷちアイドル」として話題になり始めたころ。ある男性とお付き合いしていました。とても素敵で、心から尊敬できる人でした。初めて「結婚」という選択肢も考えました。ただ彼は、私の「崖っぷちアイドル」という立ち位置をよしとしてくれませんでした。

 確かに私は「崖っぷちアイドル」でしたが、それは私そのものでもあります。そんな私を認めてくれ、応援してくださる方々がいたうえでの立場を裏切りたくないと思いました。なので、結局お別れをすることになりました。

 数年前、彼に偶然再会しました。相変わらず素敵で、尊敬できる人でした。「あのとき一緒になっていたら……」そんな考えが頭をよぎりましたが、あの選択は間違っていなかった。そう思える自分が、今ここにいます。

「育ちが悪い」と報道され「この世からも消えたい」と…

 そして、世間を騒がせてしまった、あのお付き合いのこと。

 あの時期は、人生で最もつらかったし悔しかった。でもその一方で、さまざまな方の優しさに助けていただき、いろんな意味で自分が成長できました。一番つらかったのは、恋をなくしたことよりも、結婚できない理由として、私の「育ちが悪い」と、マスコミに報道されたことでした。

 父はまじめなサラリーマン、母は専業主婦で、バレエやピアノ、英会話など習い事もたくさんさせてくれました。私を大切に育ててくれた両親のことを悪く言われたことは、今でも思い出すと悔し涙が出てきてしまいます。

「芸能界からも、この世からも消えたい」と何度も思いました。

 そんな私に、当時の事務所の社長が「このまま仕事を辞めたら相手の思うつぼだ」と言ってくれ、はっとしました。それで、なんとか踏みとどまったのです。