米国に友好的な姿勢を見せ、韓国には「野良犬の群れ」と容赦ない暴言を浴びせる北朝鮮の金与正氏。過激な談話を連発する背景には、金正恩氏の娘「ジュエ」氏の台頭による焦りも感じられる。
一方、どれだけ口汚く罵られても融和姿勢を崩さないのが、韓国の李在明政権だ。その一見不可解な対応の陰には、文在寅元大統領に対する個人的な恨みと政治的功名心が透けて見える。
米朝首脳会談の再来や在韓米軍撤退が現実味を帯びるなか、朝鮮半島の安保を揺るがす主要人物たちの“思惑”に迫る。
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口汚く韓国を罵る“毒舌姫”
北朝鮮の金正恩総書記の実妹、金与正朝鮮労働党総務部長が活発に談話を出し始めた。
8月19日には、米韓合同軍事演習「乙支(ウルチ)フリーダムシールド」の縮小について「評する価値もなく、全く興味を感じない」とする談話を発表。同時に「わが国家首班(金正恩朝鮮労働党総書記)はトランプ(米大統領)に個人的に良い追憶と感情を持っている」と言及し、20日の談話では、演習の縮小により韓国が置かれた立場を「哀れな境遇」と罵った。
米国、特にトランプ氏を持ち上げ、返す刀で韓国を激しく攻撃する。このやり方自体は、金与正氏が初めて対外的に談話を発表した2020年3月から全く変わっていない。当時、金与正氏は、北朝鮮のミサイル発射を非難した文在寅政権(当時)を「身の程知らず」と攻撃し、同月下旬には、トランプ氏が金正恩氏に親書を送ったことについて「良い判断であり、高く評価されるべきだと思う」とする談話も出していた。
金与正氏の「韓国バッシング」はその後も止まらず、尹錫悦前政権が24年10月、ソウルで行った「国軍の日」記念軍事パレードを「野良犬の群れが小川を渡るような、痕跡も反響もない愚かな虚しい茶番」と批判。李在明政権が25年6月に誕生しても「ソウルでどんな政策が樹立され、どんな提案がされようと興味がなく、対座することも、議論する問題もない」と主張した。25年8月には韓国の北朝鮮宥和政策を「一言一言が妄想であり、つまらない夢」とばっさり切り捨てている。
