北朝鮮からの口撃に対して韓国の反応は…

 一方、これだけ北朝鮮から三行半を突きつけられながら、李在明政権は、それでも北朝鮮への融和姿勢を崩していない。トランプ氏が金正恩氏と年内に会談したい考えを示すと、李氏は19日、自身のXに「トランプ大統領のメッセージは、朝鮮半島で敵対と対立を乗り越えて平和をつくるため、熟慮を重ねた大きな決断だ」と喜んだ。

 金与正氏の談話は、米朝首脳会談の開催にはまだ触れていないが、「決裂したハノイ米朝会談の失敗を繰り返さないため、トランプ氏がどこまで譲歩してくるのか値踏みをしているからだ」(日本政府元当局者)という。

 トランプ氏は、対イラン政策などをめぐる支持率低迷に悩み、金正恩氏との首脳外交に成果を求めたい心情だろう。そんな「トランプ氏を止める人はホワイトハウスには誰もいない」(米政府元当局者)。北朝鮮の核保有を事実上容認し、制裁を全面解除する懸念もある。北朝鮮がそこまで値踏みできれば、米朝首脳会談は年内に実現するだろう。

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©AFLO

 金与正氏の談話のパターンは前述した通り、北朝鮮によろめきそうなトランプ氏を持ち上げつつ、韓国をけなすことで、米韓同盟にくさびを打ち込むことにある。金正恩氏はトランプ氏に「北朝鮮は米国の脅威ではない。在韓米軍もいらないはずだ」とささやくだろう。第1次政権時代から在韓米軍の撤退を望んできたとされるトランプ氏だけに、この申し出に応じるかもしれない。韓国の北朝鮮に対する抑止力は大幅に低下するだろう。

 在韓米軍の消滅という国家的危機が迫るなか、なぜ李在明政権はこれほどまでに平然としているのか。ジャーナリスト経験がある米専門家は「韓国左派の考えが理解できない。在韓米軍が消滅するかもしれないのに、不満を持っていない」と嘆く。

 この不自然な態度の背景にあるのが、李氏独自の政治的動機だ。韓国の保守系専門家は「李在明氏は学生運動経験がある伝統的な進歩(革新)ではない。彼の北朝鮮外交の原点は2018年9月の南北首脳会談だ」と語る。文在寅大統領(当時)は政治的ライバルで当時、京畿道知事だった李在明氏を平壌に連れて行かなかった。上述の韓国専門家は「南北軍事境界線がある京畿道知事が同行しないのは異例。李氏はこれを恨みに、自分の方が文より南北関係を発展できると証明したがっている」と語る。

 李在明氏の個人的な政治的功名心が、韓国の安全保障をどん底に突き落とすかもしれない。

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