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同期の松井裕樹と交わした約束

 そんな内田選手は9月27日の千葉ロッテ戦で右中間スタンドへ先制となる10号3ランを打った。今季の目標である「2桁ホームラン」を見事に達成したのだ。高卒の生え抜き選手の右バッターとしての「2桁ホームラン」は球団史上初の快挙であった。

 そのゲームは約4年ぶりに松井裕樹選手が先発。同じ歳の同期・松井選手に先制アーチという形で、4年ぶりの先発勝利へ花を添えた。しかも、なんとゲーム前にホームランを打つ約束を松井選手としていたそうだ。

同期の松井裕樹選手と内田靖人選手と中央はリードした堀内謙伍選手 ©RakutenEagles

 松井選手も「同期のウッチ―(内田選手)が『2桁ホームランは今日にとっておいた』って言って本当に打ってくれて。あの3ランが大きかったし嬉しかったですね」と降板後に話している。

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 こんな事ってあるの? と思うぐらいの深い同期の絆。内田選手に聞いても「奇跡です」と笑って謙虚に答えてくれたが、奇跡の中に松井選手を助けるためにも絶対打ってやろうと思う強い気持ちがあったからこそ打ったホームランだと感じた。

 残り試合での意気込みを聞くと、「15本、20本と(ホームランの数を)増やしていけるように頑張ります」と、高い目標意識で堂々と語ってくれるから、これまた嬉しい。

 2年ぶりに打った今季1号が母の日であったり、念願の2桁10号を打った日は同期・松井裕樹選手の4年ぶりの先発ゲームでの先制アーチであったり、ここぞという時にホームランを打ってくれる内田選手は本当に頼もしすぎる。

 ナイトゲームが終わっても室内練習場でバットを振って、1日1日確実に進化する内田選手。来季は「誰がゴリラやねんっ、いや、俺がゴリラやねんっ!」とノリツッコミを言わんばかりのパワーでホームランを量産してほしい。そして、ホームランキングに輝いて東北を大いに沸かせて欲しいと願っている。

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