「一番好きなおにぎりの具はバナナですか?」
「誰がゴリラやねんっ!」
定番のツッコミで楽しませてくれるのは、東北楽天ゴールデンイーグルスの期待の大砲・内田靖人選手。楽天イーグルスが優勝した2013年の秋、ドラフト2位で指名を受けて入団した選手である。高卒出身の同期入団には松井裕樹選手(ドラフト1位)や今季初勝利をマークした古川侑利選手(ドラフト4位)がいる。
昨季ファームで2冠 本塁打へのこだわりは?
5年目23歳の内田選手は昨年ファームのイースタン・リーグでホームラン王と打点王の2冠に輝いた。今年のオープン戦では16試合に出場し、NPB全12球団の規定打席到達者で単独トップの打率.386と、チームトップの4本塁打を放った。
初の開幕スタメンも掴んだ内田選手は、一時期は調子を落としてファームでの調整もあった。しかし8月28日に再び1軍に復帰し、持ち前のパワーで、ここまで51試合の出場で2桁11本のホームランをマークしている。
内田選手にホームランに対するこだわりなど話を聞かせてもらうと、「期待してもらって試合に出してもらっているので、その中で試合を決めるホームランを打つという事にこだわっています」。
そして冷静な口調でこう続けた。「去年ファームで2軍の河野コーチから『ホームランの数にこだわるのではなくて打点にこだわれば、ホームランもついてくるから』と言われて意識した結果、2冠獲ることができました」と真剣な表情で話してくれた。
今季の内田選手は「ホームランを打つという意識」というよりも「打点を叩きだすという意識」が強く潜在しているのだ。
打点にこだわる内田選手に今季打ったホームランの中でも特別嬉しかったホームランを聞くと、「今季初ヒットが今季初ホームランだった1号です。2年ぶりのホームランでしたし、ほっとしました」と答えてくれた。
しかも、その日は5月13日、母の日だった。「ナイスホームラン。あとはケガせず頑張って」とお母様から連絡がきたそうだ。母の日にホームランという形でプレゼントした内田選手は「母子家庭で苦労していたと思うので、これからどんどん恩返ししていきたいと思います」
女手一つで育ててくれたお母さんへの感謝の気持ちを口にしてくれた。