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MVPは浅村か山川か? 西武が貫いた「最後までお客さんを帰さない野球」の魅力

文春野球コラム ペナントレース2018

2018/10/06

MVPは浅村? それとも山川?

 マジックを着実に減らしていた9月24日の楽天戦(楽天生命パーク宮城)。3回ウラに山川、浅村が失策し先制点を奪われた。しかし、直後の4回表に浅村、山川が連続ソロ。続いて前の打席で併殺打の栗山もソロを放ちクリーンアップ3連発の揃い踏み。さらに7回ウラに中村が失策し同点に。そして延長10回表、中村が決勝のソロ。こんなすぐにミスを取り返す、絵に描いたような試合展開も珍しい。また、終盤のソフトバンク戦では盗塁を4度刺された試合もあった。失敗しても果敢に挑戦できる環境を辻監督が整えているのだ。かつては、ベンチの首脳陣の顔色をうかがう選手が多かったが、最近はそれも少なくなったように見える。これも時代なのだろう。

天性の明るいキャラのMVP候補、山川穂高

 さて、レギュラーシーズンも間もなく終わる。興味は個人記録やタイトル争いに移っているが、ここに来て「MVPはどっち?」の話題でにぎやかになっている。あえて「どっち?」と表現したのは浅村と山川の一騎打ちと絞られたからだ。16勝5敗の多和田真三郎、14勝4敗の菊池雄星の貢献度も高いが、今季は打ち勝った野球のイメージが強烈なので、やはり打者に目が向く。

 3割、30本、120打点以上の浅村か。50本塁打に手が届きそうで120打点以上の山川か。万遍なく数字を上げる浅村に対し、一発の魅力でチームを盛り上げる山川。寡黙な主将の浅村。愛嬌たっぷりで憎めないキャラの山川。まあ、性格はMVPの投票には加味されないが。私がもし投票権を持っていれば……、う~ん、悩むところだ。結果は、ユニホームの胸に「C」マークを付けてチームを引っ張る浅村が「ハナ差」でゴールと読む。

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寡黙ながらもチームを引っ張るMVP候補、浅村栄斗 提供/中川充四郎

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