中央線や速度標識などがない「生活道路」について、9月1日から自動車の法定速度が60キロから30キロに引き下げられる。歩行者が多く道幅が狭い市街地での事故を減らすのが目的で、全国の一般道の約7割が該当するため、交通ルールの大きな転換となる。改正を知らずに走行すれば、大幅な速度違反となる恐れもあるため注意が必要だ。
交通事故件数は減少傾向だが、生活道路での子供や高齢者の事故死者数は年300人前後で横ばいが続く。制度改正はこうした状況への抜本的な対策として2024年7月に閣議決定。事故で歩行者が致命傷を負う確率が急激に高まるとされる30キロを上限とした。
改正は交通標識や路面標示による速度規制がない一般道のうち、中央の白線や分離帯がない道路の速度規制を時速30キロに引き下げるもの。複数車線に区切られた幹線道路などは時速60キロのままで変わらない。標識で「40キロ制限」などを示している場合は従来の規制が優先される。
引き下げはおおむね地域住民の利用が多い幅5.5メートル未満の道路を想定しており、警察庁などは生活道路として周知を図る。ただ、定義はないため「住宅街を通っていないから」などの思い込みは禁物。警察は郊外で歩行者が少ない場合など、対象でも30キロ規制が必要ない道路は、通行実態に応じて標識などを設置したとしている。
同庁幹部は「繁華街でも速度を抑えないような危険な運転を止め、事故を防ぐのが目的だ。通行量や事故件数を分析し、必要な場所で取り締まりを行っていく」と説明。可搬式の小型速度違反自動取り締まり装置の活用など、道幅の狭い場所でも通行に支障を出さない対応も進めるとした。


