「ユニバーサル・スタジオ・ジャパン」(以下、USJ)で働くショーの現役出演者が「週刊文春」の取材に応じ、酷暑での厳しい労働環境を告発した。
今年3月で開業から25周年を迎えたUSJ。8月28日には、大規模な敷地拡張に乗り出すことが報じられた。2000億~3000億円を投じて、パーク北側にある土地を整備。新たなアトラクションなどを建設する予定だ。
問題となるのは、猛暑に際して、USJの運営会社がショーやパレードの出演時間短縮やキャンセルの基準を定めた社内ルールだ。
USJでは、気温や湿度などから算出する「WBGT(暑さ指数)」を基に出演時間の短縮などを決めているが、内部資料<CY26 Heat Chart>によれば、キャラクターの出演がキャンセルになるのはWBGTが34以上の場合に限られる。
だが、環境省の指針によれば、WBGTが28以上になると、熱中症が<すべての生活活動でおこる危険性>と指摘され、31以上の場合は、<外出はなるべく避け、涼しい室内に移動する>との注意事項が示されている。さらに、WBGTの予測値が33以上になった場合は「熱中症警戒アラート」が発表される。
ショーの出演者が告発する。
「8月に入って以降、暑さで体調不良になる人が増えました。ただ、欠演した場合は報酬が下げられる恐れもある。ふらふらの状態で働く人も少なくありません」
労働問題に詳しい佐々木亮弁護士はこう指摘する。
「企業側は労働契約法や民法などに基づき、従業員や出演者に対して安全配慮義務を負っています。猛暑の中でも適切な措置を講じず、病人などが出た場合は、安全配慮義務違反に問われる可能性があります」
運営会社の「合同会社ユー・エス・ジェイ」に質問状を送ると、次のように回答した。
「今回のご質問には、当社の内部文書、契約内容、個別の運用および第三者からの主張に関する事項が含まれておりますが、テーマパーク運営に関わる個別の契約・運営に関する事項につきましては、回答を差し控えさせていただきます。
(中略)
安全管理については専門部署による継続的な検証および改善を実施しており、暑熱対策を含む各種安全対策について適切に運用しております。
当社は今後も、出演者一人ひとりの安全と尊厳を重視し、関係法令に則った適切な事業運営に努めてまいります」
現在配信中の「週刊文春 電子版」では、9月11日にオープンする新アトラクション「『バイオハザード レクイエム』 ザ・ダイブ」の出演者などに適用される、違法性が疑われる罰金規定など、USJの過酷な労働環境について詳報している。



