約50年の歴史を持ち、現在第6期が放映中のアニメ「ゲゲゲの鬼太郎」。#1のねこ娘役の庄司宇芽香インタビューに続き、キャラクターデザイン・総作画監督をつとめた清水空翔氏に各キャラクターの作画の狙いを聞く。目指したのは「アクションが映えるスタイリッシュな鬼太郎たち」。
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スタイリッシュな「鬼太郎」が出来るまで
――第6期『ゲゲゲの鬼太郎』のキャラクターデザインでは、どのようなことを意識されたのでしょうか。
清水 初めて永富大地プロデューサー、小川孝治監督と打ち合わせをしたときに、第6期の『鬼太郎』はスタイリッシュにしたい、あとアクションにも力を入れたい、と聞きました。
そこで自分の中から「スタイリッシュ」なデザインを引き出したのがこのキャラクターたちです。全体的に頭身を上げて、アクションが映えるような、かっこよさを内包したデザインになるよう意識しました。あと、こだわったのがハイライト。今までの『鬼太郎』にはハイライトが入っていなかったので、6期を差別化するためにもハイライトは入れたかったんです。そこで、立体的に見るとおかしいのですが、フォルム感を出すために、シャープなハイライトを入れて、さらに太いライン状の影をつけて、今っぽさが感じられるようにしました。
――それぞれのキャラクターができるまでについて詳しく教えてください。
清水 鬼太郎はキャラクターのコンペに出したときのデザインからほとんど変わっていないですね。先ほど言いましたように今までより頭身を上げて、影付けの部分で今らしさが出るようにこだわっています。
ねこ娘の髪を長くしたいという意見も
清水 ねこ娘は“モデルのような美人” というイメージでデザインしました。髪を長くしたいという意見がスタッフの間で出ていたんですが、髪が長いとねこ娘に見えないので、お団子の状態にまとめてリボンをつけることで、正面から見ると昔のねこ娘のシルエットに見えるようにしています。首のチョーカーは猫っぽさを象徴していて、足首の飾りは脚を長く見せるために入れています。胸のブローチは単純に胸元がさびしかったので入れました(笑)。ねこ娘はあまり悩まずに、すんなり出来上がりましたね。
――ねこ娘はこれまでの姿から一番大きく変化したキャラクターなので、すんなり出来上がったというのは意外でした。ほかにデザイン上で意識したことはありますか。
清水 ねこ娘はファッションモデルをイメージして描いてほしいと言われたので、そんなに胸は大きくしませんでした。あと、元々ねこ娘のワンピースはまっすぐに落ちるシルエットだったので、そのイメージを維持するためにも胸は小さくしています。