規制の動きは国境を超えて進む。EUでは、巨大プラットフォーム企業に対し、ネットいじめや依存症などから未成年者の保護を義務付ける法律が既にある。フォンデアライエン欧州委員長はさらに、今年秋にも子供のSNS利用を制限する制度案を公表するとしている。これは一律の禁止ではなく、

〈13歳未満の子供は保護者の監視下でのみ使用できる〉〈3歳未満はSNSとの接触は全面禁止〉

 など、年齢に応じて段階的に制限する仕組みだ。

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SNSの法規制へと動く欧州委員長 ©時事通信社

「安全を守る責任は、SNSの運営企業側にある」

 いま世界中で、子供のSNS利用を禁じる法律が相次いで成立している。そこで、規制を導入している各国の実情を徹底調査。今後、日本はどのような方策を採るべきかを探る――。

 世界の潮流に共通しているのは、「子供の安全を守る責任は、SNSの運営企業側にある」という考え方だ。欧州の子供の権利を守る団体、ユーロチャイルドの担当者はこう解説する。

「年齢制限だけでは接触機会は減らせても、サービス改善には繋がりません。EUの専門家会議の報告書では特に、無限スクロールや自動再生、“おすすめ”アルゴリズムなどが中毒性のある機能として挙げられています。これらに対する安全対策は、子供や保護者ではなく、プラットフォーム事業者自身が講じるべきだとしている点が重要です」

Facebookを介してコカインを購入し…

 SNSの対象年齢や安全性を格付け・レビューする米NPO「コモンセンスメディア」のジム・ステイヤーCEOもこう指摘する。

「子供にSNS利用を止めさせるのではなく、企業が子供に接触するのを止めさせるのです。企業が子供にこれ以上デジタル版のタバコを手渡せないようにすることが必要なのです」

 こうした考えに強く共感するのが、アメリカのマサチューセッツ州在住のデブ・シュミルさんだ。20年に、娘のベッカさんがFacebookを介して購入したフェンタニル(合成麻薬)入りのコカインを摂取し、18歳で命を落とした。以降、遺族としてSNS規制の必要性を訴えている。