池上彰さんの連載「WEB 悪魔の辞典」では、政治や時事問題に関する用語を池上さん流の鋭い風刺を交えて解説します!
【健闘・けんとう】
結局は負けたのだが、他者が上から目線でねぎらう言葉。
【池上さんの解説】
2018年9月に実施された自民党総裁選挙で負けた石破茂元幹事長の戦いぶりについては、「善戦」と書いたメディアがある一方で、「健闘」という表現を使った新聞もあります。
「善戦」ですと、「予想外に頑張ったじゃないか」という評価のニュアンスが伴うのに対し、「健闘」ですと、「まあ、それなりに頑張ったことは認めてやろう」という上から目線のニュアンスを感じてしまいます。
夏の高校野球で負けた高校に対して、たとえボロ負けだったとしても、各メディアが「健闘した」と表現するようなものです。
「健闘した」と書くメディアは、決して石破さんのファンではないということがわかります。「健闘した」と言われたら、ムッとした方がいいですね。
「善戦」か「健闘」か。日本語表現は難しいですね。
池上彰「WEB悪魔の辞典」のコーナーでは、池上さんの解説を聞いてみたい新用語を募集しています!