「先輩風ビュービュー」だった5歳上・八嶋智人との出会い

 そんな宮下は、実はドラマ、演劇、トーク番組、バラエティーとマルチな活躍を見せている俳優・八嶋智人の妻でもある。明るい人柄とトーク力で幅広い支持を集める八嶋とは、一見対照的なキャラクターを持つ宮下だが、その組み合わせがまた絶妙だ。

 2人の出会いは、1998年に上演された野田秀樹が主宰する劇団、NODA・MAPの『ローリング・ストーン』。当時大学生だった宮下の初舞台となった作品でもある。当時のことを八嶋は「若い役者が30人くらい出演し、彼女は大学生で最年少。5歳年上の僕は先輩風をビュービュー吹かせていました」と振り返っている(※1)。

 その後、30歳を目前に八嶋は「大人の男はひとりで飲める行きつけの店をもたないと」と当時、宮下が働いていた新宿のバーに通うように。常連と店員としてたびたび会う中で交流を深め、2002年に結婚。現在は19歳になる息子との3人暮らしだ。20年以上も人生をともに歩み続け、現在でも記念日には一緒に食事に出かけたり、観劇を楽しんだりするという仲良し夫婦である。

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宮下のコーディネートで「おしゃれ」「かわいい」と褒められるように

 宮下との結婚は八嶋を大きく変えたようで、それまでは「ジャージで行ける場所にしか行きたくない」と言っていた八嶋の服装を大の洋服好きである宮下がコーディネート。八嶋は「僕からしたらちょっと難易度高めの服を撮影現場に着ていくと、おしゃれな俳優さんたちが『八嶋さんっておしゃれね』とか『その服かわいい』とほめてくださる。気分よく帰宅することが増えました」と語っている。

 さらに、八嶋は宮下からTPOをわきまえた服装を教えてもらったことで、「弁護士や医者の役でスーツを着るときも、着慣れた感じが出せるようになりました」と演じる役の幅を広げることに繋がっていることを明かしている(※1)。

宮下今日子(『VIVANT』公式Instagramより)

 こうした八嶋の証言から見えてくるのは、宮下が単に「おしゃれな人」なのではなく、服を通じて他者の生活様式や職業観を読み解く目を持っているということだ。その眼差しは、役作りにも確かに生きている。『VIVANT』で演じるハンは長い三つ編みと赤いリップが特徴的だが、こうしたヘアスタイルやメイクのアイデアは宮下自身が出したことが明かされており、外見から人物の内面を構築していく宮下のアプローチが、ハンという強烈なキャラクターを成立させているといえるだろう。