「正直、巨人への想いはありました」
ところがドラフト前のある日、そっちの別ルートを通ってブルペンに入ってきたおじさんがいたんですよ(笑)。普段は選手しか通らないルートですし、そもそも選手しかいないはずのブルペンに、スーツをバリッと着こなしたおじさんが入ってきた。福井優也、大石達也と「近所のおじさんが入ってきちゃったのかな」なんて、ひそひそ話をしていたんですが、そのおじさんこそが山田GMだったんです。
その時、後輩が「すみません、関係者以外は入れないんですけど……」と言いにいったはずです。そこで山田さんが「日本ハムのスカウトです」と名乗って、そうだったのか、あの人が超有名な山田さんか、となった。その時は大石を見に来たんだと思っていましたし、まさか僕を見に来てくれていたとは想像もしませんでした。それがいざドラフトとなったら、日本ハムも1位で指名してくれたので、本当にビックリしました。
指名する前は何のアクションも起こさないという話は聞いていましたが、それにしても、こんなに何にもないんだということにはあらためて驚かされましたね。應武監督もビックリしていた……というか、むしろ半分、怒っていたかな。何の挨拶もなかったじゃないかって(笑)。
ヤクルト、ロッテ、ソフトバンク、日本ハム……4球団が1位で指名してくれて、クジ引きの結果、日本ハムが指名権を獲得した瞬間は寮のテレビで見ていました。真っ先に思ったのは、北海道は高校の時に甲子園の決勝で戦った駒大苫小牧のふるさとだ、ということでした。僕は群馬で生まれ育って、高校から東京へ出てきて、なんとなく関東に馴染みがありました。だから僕はずっと関東にいるんだろうなという思い込みがあったんです。
それが人生を左右するドラフトで北海道と縁が結ばれるとは……それはまさかでしたし、僕の運命はこういう流れだったのかという気持ちになりました。
もし関東にそのままいたら、自分のテリトリーのなかだけでものを見ていたような気がするんです。それがいきなり北海道へ行くことになって、ものの見方の幅はすごく広がるんじゃないかという期待はありました。僕は日本ハムに入って、北海道と縁を結んでもらって、本当によかったと思っています。
巨人ですか? 正直、巨人への想いはありました……あったというより、強かったと言ったほうが近かったと思います。子どもの頃から巨人のことは好きでしたし、球界を引っ張ってきたリーダーですから、巨人に入りたいと思っていた時期もありました。でも、やっぱり巨人とは縁がなかったんだと思います。
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