2012年の北海道日本ハムファイターズは、前年まで絶対的エースとして君臨していたダルビッシュ有がメジャーへ移籍。監督も梨田昌孝から栗山英樹へと変わるなど、新たなスタートを切っていた。この年の開幕投手が、プロ2年目だった斎藤佑樹だ。
開幕投手を告げられる際、斎藤は栗山から「ある手紙」を受け取っていた。その手紙を読んだ瞬間、斎藤は涙を流したという――いったいどんな内容だったのか? ベースボールジャーナリスト・石田雄太氏の新著『ハンカチ王子と呼ばれて 斎藤佑樹 54勝の記憶』(カンゼン)から一部抜粋してお届けする。
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「やっぱりそうだったのか」栗山監督就任には“伏線”があった
2年目から栗山さんが監督になりましたが、僕にとっては1年目の監督が梨田さんだったこともすごく大きかったと思っています。僕にとっての梨田さんは身近なお父さんのような存在でしたし、そういう安心感のある方が近くからいなくなってしまうのがすごく寂しかった。梨田さんが最後、「佑ちゃん、ずっと応援してるからね」と言葉をかけて下さったことは忘れられません。
思えば高校の時の和泉(実/早実監督)さん、大学の應武(篤良/当時の早大監督)さん、プロに入ってからの梨田さん……みなさん、キャッチャーだったんですよね。これ、不思議というか、すごいことだと思うんです。しかもみなさん、似てるんですよ。傍から見ていたら同じタイプには見えないかもしれませんが、僕が想像しているよりもはるかに、僕のことを考えてくれているというところが似ている(笑)。
「そんなこと、考えたこともなかった」ということをサラッと言ってくれるんです。「佑ちゃんはこういうピッチャーなんだから、こうすればいい」と言ってもらえて、「ああ、僕にはそんな一面があったんだ」と気づかせてもらいました。それはたぶん、キャッチャーならではの視線があるからこそ気づくことで、そういうことの全部を受け止めてくれる包容力が僕に安心感を与えていたんだと思います。
新しい監督が栗山さんだと聞いた時、じつは『やっぱりそうだったのか』と思った記憶があります。
