大手すら脅かし始めた新潮流「フード&ドラッグ」とは何か?
2025年ランキングに割り込んできた企業はコスモス薬品、クスリのアオキ、クリエイトSD、ナチュラル、ゲンキー(Genky DrugStores)といった銘柄だ。これらは食品スーパーの3分の1~半分をドラッグストア売場にしたような業態という特徴を持つ。これこそが「フード&ドラッグ」の正体だ。
フード&ドラッグで成長した各チェーンは、人流の薄い地方や郊外ロードサイド出身が多い。少ない来店客を増やすため、購買頻度の高い食品をディスカウント販売し、来てくれた顧客に薬粧類(医薬品、化粧品などのこと)をついで買いしてもらうことで生き残る、という道を選んだわけだ。
これらは見た目がほとんどスーパーみたいな売場だが、生活必需品が結果としてなんでも揃う。地方では「大きなコンビニ」のような機能を評価され、消費者の支持が高まってきた。ここで薬粧が買われてしまうと、既存のドラッグストアは少しずつ売上を奪われていくことになる。
ここで再び、冒頭で示した直近の売上ランキングを見てみよう。今度は、フード&ドラッグを手掛ける企業に網掛けをしている。
最近5年での売上増減を見てもらうと、この流派がいかに成長しているかが分かると思う。いわゆる大手の増収は再編統合に拠る部分が大きいのだが、フード&ドラッグ各社は同業M&Aをほとんど行っていない。この点を踏まえると、ここ20年のドラッグストア業界の方向性が見えてくるだろう。
要は、フード&ドラッグが各地に広がって中堅クラスのドラッグストアのシェアを奪ったため、中堅が存続のため大手の傘下に入って対抗した、という構図が見えてくる。そして、寡占化も進んできた今、フード&ドラッグは大手のシェアをも侵食しつつある。
大手はこのフード&ドラッグ軍団を打破するか、もしくは仲間に加えなければ、自らのシェアを圧迫されかねない状況になってきたわけだ。「今のシェアが高いから安泰」「大手だから安泰」という構図は、この業界には存在しないのである。
ツルハ・ウエルシア連合の裏で起きていた“騒動”
そんな中、業界としては大きな事件が起きた。
ウエルシアとツルハの統合の主役であり「小売りの王者」でもあるイオンと、資本業務提携関係にあったクスリのアオキが提携を解消したのだ。
実質的には、よりアオキとの関係を深めようとするイオンに対して、自主性を維持したいアオキが離脱を決断した、という構図のようだ。
