「たとえ減税に反対だったとしても、内閣改造も近く、高市さんには何も言えない」

「減税の財源は既に確保」

 高市は7月末から8月初旬、減税に賛成論をぶった複数の議員に、こんな感謝のメールを送った。

「市場に影響する可能性から、私が具体的な費目を発言することは控えていますが『税外収入』も含めて減税の財源は既に確保できています」

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自民党役員会で鈴木幹事長と麻生最高顧問にはさまれる高市首相 Ⓒ時事通信社

 高市は年5兆円の財源をどう確保するのか具体策を示せていないのに、自身を支える議員には水面下で“空手形”を切り、減税賛成を貫くよう促したのだ。高市らしからぬ「根回し」のメールはこう続く。

「野党や党内の反対議員がおっしゃる現金給付は時間がかかり過ぎます。昨年末に成立した補正予算の子供1人あたり2万円の給付も、児童手当の口座に振り込むだけの最も早い給付方法だと思いましたが、ようやく昨日(7月31日)から給付開始の自治体もあります」

 野党や党内の反高市派を批判するだけでなく、地方行政の動きの鈍さも理由に、自身の減税判断を正当化するあたりが“高市スタイル”である。そして、こう締めくくる。

「来年4月からの消費税減税が最も早く、日々のお買物で(物価高対策の効果が)実感されるものです。まだ食料品の値上げは続きますし。どうか宜しくお願い申し上げます」

 高市にとっては、党内論議に先立つ7月28日、副総裁の麻生太郎、幹事長の鈴木俊一と党本部で会談した際、麻生から「首相として決めたなら反対はしない」と言質を取ったことも功を奏した。1月の抜き打ち衆院解散を麻生、鈴木に相談なく決め、しこりを残した反省を踏まえた行動だろう。

 長く財務相の任にあり、財政規律派と目されてきた麻生が消費税減税を容認したことに対し、政権与党が守るべき「美風」の範を示したと評する向きもある。党首が決断したら党員は支えるべきだという建前で、党内の減税反対派に賛成や黙認に転じる「逃げ道」を用意したのである。

 事前に麻生から了承を得たことは、高市の政権運営が未だに麻生頼みであることも周囲に印象付けた。

※約5000字の全文は、月刊文藝春秋のウェブメディア『文藝春秋PLUS』と『文藝春秋』2026年9月号に掲載されています(赤坂太郎「減税国会を前に根回しメール」)

文藝春秋

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減税国会を前に根回しメール

出典元

文藝春秋

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