「大雨の増加は温暖化とも密接な関係があります。気温が1℃上がると、大気中の水蒸気量は約7%増えるとされています。水蒸気は雨のもと。例年より気温の高い日が続けば、結果として過去よりも大雨の頻度や雨量が増えることになります。豪雨災害は、いまや日本のどこで起きてもおかしくありません」
そう解説するのは、気象予報士の森田正光氏だ。
(「週刊文春」2026年9月10日号掲載の記事を全文公開)
8月中旬以降、深刻な豪雨災害が発生した千葉、石川、富山、福井では、各地域で観測史上最大の降水量を記録した。
気象庁の観測データによれば、大雨の年間発生件数は、年月をかけて増加傾向にある。しかも、1時間の降水量80ミリ以上、1日300ミリ以上といった極端な“集中豪雨”は、この40年余りで頻度が1.8倍から2.1倍に。おおむね倍増しているのだ。
確実に高まる災害級豪雨との遭遇リスク。備え・防災アドバイザーの高荷智也氏はこう指摘する。
「まずは、自宅の周りで起こり得る浸水や土砂崩れなどのリスクを認識しておくことが大前提となります」
災害以前に、(1)住んでいる場所の地形や特徴を把握していないのはNG。自治体のハザードマップを確認すれば、大雨による浸水想定区域や浸水の深さ、土砂災害の警戒区域などが示されている。
「見たことがないという人は意外と多いのです。自宅周辺や職場、学校など、複数の地域にまたがる地図を確認したい時は、国土交通省の『重ねるハザードマップ』がお勧めです。市町村の途切れがなく、洪水と土砂災害など、種類を重ねての表示も可能です。そこで災害発生時に避難が必要だと分かったら、自治体のハザードマップで詳細を確認しましょう」(同前)
ハザードマップを過信しない
ただし、大災害とは想定を超えて起きるもの。
「ハザードマップはデータを積み重ね、少しずつ更新されていきます。一度見て終わりではなく、風水害が増えるシーズン前、ゴールデンウィーク明け頃に毎年チェックをしていただきたいところです」(同前)
その上でなお、(2)ハザードマップを過信してしまうのはアウトだ。
千葉豪雨被害の全容が見えてきた8月末、熊谷俊人知事は、定例会見で「浸水想定区域外での浸水、想定区域内でも想定を上回る浸水があった」と述べた。市街地では、下水道の排水が追いつかず、地上に水が溢れ出す「内水氾濫」が広範囲で発生。水没した車両は2800台を数えた。元消防士で防災スペシャリストの野村功次郎氏が語る。
