2025年に『カフネ』で本屋大賞を受賞した阿部暁子の青春小説『どこよりも遠い場所にいる君へ』(集英社オレンジ文庫)が劇場アニメ化。舞台は、隠岐諸島をモデルにした離島「采岐島(ときしま)」。その静かな入り江に一人の謎の少女が現れたことから、物語は動き出す――。秘密を抱えた高校生・和希を演じた石橋陽彩さんと謎の少女・七瀬を演じた永瀬アンナさんに作品の魅力を聞いた。

(左から)石橋陽彩さん、永瀬アンナさん 撮影:今井知佑

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『どこよりも遠い場所にいる君へ』あらすじ
豊かな自然にあふれた離島・采岐島――。その島には、“神隠しの入り江”と呼ばれる場所があった。とある事情で都会を離れ、采岐島の高校に進学した少年・月ヶ瀬和希(cv.石橋陽彩)は、ある初夏の日、“神隠しの入り江”で一人の少女が倒れているのを発見する。少女の名前は秋鹿七緒(cv.永瀬アンナ)。1974年からきたという七緒は、和希とその場に居合わせた高津という男性(cv.玉木宏)に保護されることになる。七緒のことが気になり、それからたびたび放課後に彼女のもとを訪れるようになった和希。やがて和希は、七緒から驚きの言葉を聞かされるのだった――。

原作を中学時代に読んで大泣きしました

劇場アニメ『どこよりも遠い場所にいる君へ』

――永瀬さんは中学時代にすでに原作を読んでいたとのことですが、当時どのような印象を受けましたか。

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永瀬アンナ(以下、永瀬) 読書好きの友達が「これすごい、いいから読んで」と勧めてくれて。みごとに心を打たれて、大泣きした記憶があります。この物語は、それぞれの人物の「喪失」を描いている部分がすごく大きいと思っていたんですけど、それが全部マイナスなイメージになるんじゃなくて、みんなそれでも前を向こうとしていて。そういうところが、中学生ながらに「かっこいいな」と思いましたし、こういう人間との出会いを大切にしないといけないな、と強く感じたのを覚えています。

永瀬アンナさん 撮影:今井知佑

――今回の出演に際して読み直されてみてどう感じましたか。

永瀬 当時は和希や七緒にすごく感情移入して読んでいたんですが、今回は高津さんや仁科先生といった大人のキャラクターに注目して読めるようになっていました。

「大人の皆さんはそっと見守ってくれていたんだな」とか、小さな気遣いのようなところに気付けるようになって、自分の感じ方が変わったな、と思いましたね。

石橋陽彩(以下、石橋) それ、いいなあ。僕はオーディションで初めてこの作品を知ったので、そういう楽しみ方もできるんだなと思って、今すごく羨ましくなりました。