――石橋さんは、原作を読まれていかがでしたか。
石橋 読み終えたとき、本をぱたっと閉じて、天を仰ぎながら涙を流しました。そこから、いろいろ考えてしまって。「本当にこうなる世界線しかなかったのかな」とか、いろんなことを考えながら浸っていました。
中高生特有の感情の揺れ動きというか、葛藤だったり、なかなか自分の感情を吐露できない繊細な部分がすごく素敵に表現されている作品だなと思いましたし、それぞれのキャラクターが信念を持って生きているというか。みんな違ってみんないい、みたいなものがすごくある作品だなと感じました。
教室が嫌で隠れて過ごした昼休み
――物語の舞台となる「采岐島」の風景も印象的です。お二人には島にまつわる思い出はありますか。
永瀬 私が初めてヒロインをやった作品が離島が舞台で、モデルになった島にロケで行ったことがあるんです。そのとき感じたのは「島って孤独だな」ということで。本島から離れて、その島以外に人のいるところへ行くには、船に乗らないといけない。一人ぼっちで立ってる島なんだな、と思いました。
その「開放的な閉鎖空間」っていうのがすごく面白いなと思って。 今回の作品でも、島が舞台だからこそ浮き彫りになることがあるんだなというのは感じましたね。
石橋 僕は熱海の初島に行ったことがあるんですが、本土側では海がちょっと濁っているのに、その島に行くだけで海が信じられないほどキレイになるんですよ。関東に住んでいる人からしたら、海は濁っているもの、みたいなイメージがあるじゃないですか。だから、それが(水中が)鮮明になった瞬間にドキッとして。
それこそ、七緒と和希がアイスを食べながら歩くシーンなんかは、島の人たちからしたら何気ないワンシーンなんだろうけど、僕は「とても尊いものだな」と感じて。そういう素敵なものが島にはたくさんあるんだろうなと思います。
――石橋さんが演じた和希は、とある事情から周囲に心の壁を作っている人物です。
石橋 まず、すごく自分に似ているところがあるなと思いました。僕も学生時代、本当にネガティブで。他の人に自分のことを打ち明けられなかったり、友達といるときも自分だけずっと友達に合わせていたりとか、素直に楽しめていない自分がいて。
実は、学生時代に教室が嫌で、廊下の端っこにある自販機と突き当たりの間の空間に隠れて、携帯をいじって昼休みを過ごしたことがあるんです。いじめられていたとかそういうわけではないんですが、和希と重なる部分が多かったので、作りすぎずに自然に演じられたかなと思っています。


