グラフで差が大きく開いてゆく危機的状況「ワニの口」

 多くのメディア報道が誤るのは、中古マンションの新規登録価格のみを報道し、マンション価格が上がり続けていると騒ぎ立てることだ。これはあくまでも売り手側の希望価格が高騰しているにすぎないのであって、実態の価格(成約価格)を理解していないことだ。これは「ワニの口」とも呼ばれ、表面的な価格の動きと実態の価格が離れていることが本当の意味でのマンションマーケットの現実なのだ。

 もう一つ注目すべきマーケットの動きが中古マンションの在庫数の推移だ。

中古マンション在庫数の推移(単位は戸数、出典=東日本不動産流通機構)

 都内の中古マンション在庫数はこの1年間(2025年6月と2026年6月)で2万3188戸から2万6120戸と12.6%も増加している。これを売り希望価格1億円以上の在庫数に絞りこむと4251戸から7689戸となんと81%もの大幅増加になっている。高額帯の物件ほどマーケットで売れ残って在庫として積み上がっていることがわかる。

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1億円超えの高額帯物件は在庫数が急伸

 それでも一部の評論家やメディアは、都内の在庫は増えたものの周辺3県の在庫数は減少している、したがって都内物件価格が上がりすぎたので周辺3県に需要が移っていると解説しているがこれも、データをよく解析出来ていない表面的な論評だ。

 価格帯別の在庫数をみれば、やはり1億円を超える高額帯の物件は在庫数が急伸しており、マーケットはあきらかに変節していることが示されている。