世間を騒がせた幅広いトピックから聞き捨てならない「言葉尻」を拾い上げ、独自の視点で深く考察する能町みね子さんの「週刊文春」人気コラム「言葉尻とらえ隊」。この連載をまとめた文庫オリジナルの新刊『余裕がない人』から、著者自身が選んだ3本を紹介します!(全3回の2回目)
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立川志らくは16年、『ひるおび !』のコメンテーターに抜擢されて大きな影響力を獲得した。以降彼は、様々な問題発言をし、それをネットニュースに取り上げてもらって自らの影響力をさらに高める、というシステムの虜になっている。
私はこのコラムで何回か立川志らくを取り上げてきた。
例えば18年3月、貴乃花親方と相撲協会のトラブルについて貴乃花擁護・協会バッシングに徹し、複雑な事件を「正義と悪」に単純化、我慢ならない私がツイッターで抗議をすると「落語の事なら喧嘩しますが相撲の事では喧嘩はしません^_^」ととぼけて私をブロックしたこと。
19年5月、犯人も自殺した川崎の殺傷事件について「死にたいなら一人で死んでくれ」と発言し批判されたこと。
この件のあと、私はこの連載で、志らくについて「彼は思いつきで何に対しても過激な発言を繰り返すはず」「そんなテキトーさが容易に世論を作ってしまうことにまったく自覚がない」と指摘し、「今は無責任で過激で少し差別的で煽情的なことを言えば昼のテレビで重宝」されるので「大げさでなく、日本の未来を悪くする人」だと論じた。
あれから6年。志らくはこのたび『ひるおび !』で、高市早苗のいわゆる台湾有事発言を批判する人を非常に安易に「中国側に回る人」と決めつけ、「なぜ高市さんをそこで非難するのか。中国が言ってくるのはわかるんです。ただ日本でもそういう人がたくさんいるってことは、あなた方はなんで? 日本人じゃないの? という気すらする」と言って大炎上中である。
彼は直後にあわてて「とすら思える」と言っているから問題ない等、自分のYouTubeで言い訳にもならない言い訳をしているが、撤回する気はないらしい。以前のコラムで指摘した後も志らくは様々な問題発言をしてきたけれど、今回はその総決算だね。これはまごうことなき「非国民発言」だと私は思う。まさか私のコラムがこんなに的中するとは。
