その1つの要因として考えられるのが椅子です。

 今回の椅子は高市総理の身体に対して座面に奥行きがあり、そこへ深く腰掛けることで臀部から大腿部にかけてスカートの生地が取られ、裾が上へ引き上げられます。

 さらに今回のスーツの生地は、比較的柔らかく身体に沿うものに見えます。

ADVERTISEMENT

深く座っているからか、握手の姿勢も若干ぎこちないものに ©時事通信社

 立っているときにはその柔らかさが優美なシルエットをつくる一方で、座ったときには身体の動きに沿って生地が動きやすく、スカートがずり上がって見えます。

場合によってはスカートの内側まで視線が入りそうな形に

 もう1つ気になるのが、高市総理がカメラに対して脚を正面に向けていることです。

 高市総理は座った時、両膝は閉じているものの脚をほぼ正面に向けているため、上がったスカートと脚が真正面から見え、場合によってはスカートの内側まで視線が入りそうな形になっています。

 スカートの丈も、両脚を正面で揃える座り方も、それ単体では問題がありません。

 しかし特にスカートの場合、椅子の高さや奥行き、腰掛ける深さ、脚の角度やカメラの位置によって与える印象は大きく変わります。

 本来ならトップの表情や会談そのものに向かうはずの視線が、服装の一部分に集中してしまうとすれば、もったいないことです。

 今回であれば、もう少し浅めに腰掛け、膝頭が高くならないようにする。それだけでも大腿部に傾斜が生まれ、裾の見え方は変わったかもしれません。

以前は「メイクが課題」と言われていた時期も ©文藝春秋

 参考になるのが、英国王室の女性たちに見られる着席姿勢です。

 例えば、キャサリン皇太子妃の着席姿勢として知られる「ダッチェス・スラント(Duchess Slant)」。

 膝と足首を揃えたまま、会談であれば上半身は相手の方向へ向けて、両脚を相手とは反対の方向に斜めに流す。こうすると、正面のカメラに対して脚に斜めのラインが生まれ、スカートやドレスを着ていても内側が見えにくくなります。脚を斜めに流す姿勢は、ダイアナ元皇太子妃にも見られました。

 もう一つが「ケンブリッジ・クロス(Cambridge Cross)」です。

 こちらは膝を揃えたまま、足首のところで左右の脚を交差させるスタイルです。

 どちらにも共通しているのは、膝を揃えながら、脚をカメラに対して真正面に置かないこと。スカート姿で正面から撮影された際にも、脚のラインをすっきりと整えやすくなります。